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2023年7月31日 夜間熱中症と思われる話

夜間熱中症が疑われるニュースが出てきました
明確な死因はまだ分かりませんが、夜間熱中症として話を進めます

高齢男女が住宅の寝室で死亡、エアコンは稼働せず 東京都東村山市:朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR7Z7GBTR7ZUTIL00Q.html


このニュースを見て「何故この高齢男女はエアコンを使わなかったんだ?」と疑問に思う人も多いと思います
ウチも疑問に思いました

未だに昭和の感覚を引きずっていて、夜はエアコンをかけてはいけないと思い込んでいる人も居ますし
エアコンで冷えすぎるという人も居ます
高齢になってくると気温を感じる能力が下がってきて暑さ寒さを感じにくくなるということもあります


そういった理由でエアコンを付けずに夜間熱中症で亡くなったのかな?
と思いましたが、どうやら別の見方もあるようでして・・・


お客さんとの雑談で言われたのですが、

高齢者になってくると、エアコンの電源の入れ方が分からないらしい

このボタンを押せばオン/オフになると説明しても理解できないらしく、電源を切るのにコンセントを抜くとか・・・
(エアコンは民生委員などが入れていく可能性大)

電源を入れる方法は分からないのでそのまま熱中症になる可能性がある



確かに今の若い人は石油ストーブのオン/オフは分からない・公衆電話の使い方を知らない人も居るので、そう考えると辻褄が合う

自分が「当たり前」に出来るだろうと思っている内容でも、人によっては出来ない(場合によっては理解しようとしない)こともあるというお話


当店でも栄養補給や水分補給の細かい話をしていますが、
自分で「大丈夫」と言う人ほど大丈夫ではありませんし
「ちゃんとやってる」と言う人ほどちゃんとやっていません

話をされるのが嫌なので適当に相槌を打っている場合が多いです


赤の他人ならしつこく言っても嫌われますので追及はしませんが、家族でそういう人が居れば、本当に「大丈夫」か「ちゃんとやってる」か確認してみてください

ウチが見た限り、ほぼ100%の人が大丈夫では無いし、ちゃんとやってません

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2023年7月30日 二本目w 熱中症を「治療」するには

熱中症を「治療」しよう?


自分で対処できると思うな!!
熱中症で倒れるときは真っ直ぐ歩けないぞ!!

ということで、熱中症で身内や客が倒れた時の対応です


意識の確認
意識が無いことが多々あります

無ければ直に救急車を呼びましょう
あっても会話が成立しなかったら救急車を呼びましょう

立って歩き出せるぐらいなら、元気なので救急車は呼ばなくても大丈夫です



まずは患者(自分)がどの程度かを見極めます




メディカルノートさんを参考にすると
https://medicalnote.jp/diseases/熱中症?utm_campaign=熱中症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

I度 (軽度)
めまい
立ちくらみ
筋肉のこむら返り
手足のしびれ
気分不快

II度(中等度)
頭痛
吐き気や嘔吐
体のだるさ
力が入らない

III度(重症)
高体温
意識がない
全身のけいれん
呼びかけに反応しない
真っ直ぐに歩けない、走れない

I度 (軽度)でも対策してほしいのですが、多くの人は熱中症を疑いません

II度(中等度)まで行けば病院に行くようになりますが、
病院に行っても対処薬を出されて終わり・・・ということが多々あります
運営が投薬時は熱中症を疑います

III度(重症)になると自力で歩けません



冷やす
熱中症は身体がオーバーヒートしている状態なので、まずは冷やします

スマホでも長時間連続使用していると熱くなりますよね
最近のスマホは熱くなりすぎると発火する恐れがあるので、一定温度を超えると充電を辞めたり、照明を下げて発熱を抑えるようにします

充電が止まった状態でスマホを使い続けるとバッテリーが無くなって電源が切れますね

熱中症はこの状態です
バッテリーが完全に無くなっているので、自力では動けません
充電して電源を入れ直してやっと動き出します

基本的にスマホが発熱しているときと対処法は同じなんです
スマホが熱くなったら使うのを辞めて、冷えるのを待ちますよね?

人間の身体も同じです
熱を持ちすぎているので自然と冷えるのを待ちます
待っているときも温度が低い方が早く冷えますので、35℃近い外で空冷するより、エアコンで25℃ぐらいに設定した部屋で空冷した方が良い訳です


I度 (軽度)の症状が出たら、直に作業を中断して涼しい場所に避難してください





水分補給
人間の身体には「汗をかいて体温を調整する」という優れた機能があります
他の動物でも「汗をかいて体温を調整する」機能を持った動物も居ますが、多くの動物は「汗をかいて体温を調整する」ことが出来ません
ですので暑すぎると活動を辞めてしまいます

犬猫や奈良公園の鹿を見てもらえば分かりますが、暑いときは日陰で腹を地面に付けて涼しくなるのを待ちます
腹を地面につけるのは腹から放熱して体温が上がりすぎないようにするためだそうです


人間には優れた体温調整機能がありますので、猛暑日になると汗は無理やり止めない方が良いです(かき過ぎも問題ですが)




服を緩める
血行を改善したり、中に篭った熱を発散することで少しマシになります





熱中症に効く薬は?
病院に運んで空調の効いた病室で生理的食塩水を点滴する のが最適解です

点滴することで水分補給をしなくても体に水分を入れれるからです


ただ、ここまで暑いと救急病院も対応しきれなくなってきますので、病院のお世話にならないようにするには基本的に対処療法になります

熱が下がらない場合は解熱剤・吐気のある時は吐気止めを処方されています




漢方薬で治療できる薬は無いのか? と聞かれますが、熱中症を「治す」薬は私は知りません
熱中症に効くと紹介されている漢方薬はいずれも「予防・対策」のために飲んでもらう薬になります

・白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
一番治療効果の高い漢方薬になり、以下の漢方薬の中でも一番即効性があると思います
石膏が入っていて表皮の熱を取る事・内熱を取ることに優れています

内熱が強いので 「熱が籠って喉が渇く・舌が乾いている」 という症状に使います

問題はマニアック過ぎて市販薬がほぼ無いことです
医療用を零売するぐらい?

石膏が入っているので常用はしません。
暑い日にどうしても外で仕事をしないといけない日に持ち歩いて、症状が出たら飲んでください



・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
所謂夏バテで使います
暑さで疲れているので元気を足します
熱中症というより夏バテ予防ですね

上記3つの漢方薬に共通して言えるのは「人参」が入っていることです
あとは胃腸の働きなどの証に合わせて変える程度です

この二つは人参の入った別の保健薬で代用が出来ます




・藿香正気散(かっこうしょうきさん)
熱中症症状だけでなく、胃腸の冷えにも効きます
外で仕事をしている人は夏場の常備薬として飲んで良いと思います


・五苓散(ごれいさん)
汗をかかせる漢方薬です
水の流れが悪く、体内に過剰にある水分を汗で出させるための漢方薬です
そのため、汗をかき過ぎて水分がない人には逆効果になります(この時は白虎加人参湯)

喉が渇くけどおしっこが出ない・汗も出ないという症状に使います
頭痛やめまいと言った症状も併せて起こりますが、熱中症症状とほぼ同じ症状ですのでこの時期に素人が見分けるのは困難です


「毎日水を2リットル飲め」ということを正直に行っていた人が過剰症になったときに五苓散を飲ませて解消したことがあるそうです
気圧の変化や降雨で頭痛・めまいが起こる人にも使います


五苓散を使うときは
「重湯で飲む」ことが重要ですが、重湯が無い場合は米や粥でも良いです
そして「暖水を多く飲めば汗が出て治る」と書かれています



オマケ
水の摂り過ぎで胃腸の調子が悪い
半夏瀉心湯

胃腸の余分な水分を捌きます
水分補給を良かれと思ってやっていたけど、取り方が悪かった(冷たい物の摂り過ぎ・一気飲みしたなど)・過剰に摂り過ぎたが原因で起こります
胃腸の余分な水分が無くなれば治ります

参考図書:傷寒論・金匱要略

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2023年7月30日 熱中症を「予防」しよう

熱中症を「予防」しよう
YOUTUBEの動画編集用です

コミケに行く人はそろそろ外の暑さに体を慣らしていった方が良いですよ


前回は熱中症とは何かという話をしましたが、今回は予防の話です

まず、最高気温35℃以上(気象協会で言う猛暑日)の日は昼間は外に出ないでください
どうしても外せない仕事があるときだけ出歩くようにし、時間をずらしても問題ないときは時間をずらしてください

この猛暑日という言い方も民間が勝手に言い出しただけなので国(気象庁)の正式な名称ではありません

参考:
40℃以上は「酷暑日」、夜30℃以上は「超熱帯夜」 気象協会が命名 - Impress Watch https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1429607.html



国は熱中症予防対策をあまりしていないように見えます
実際に予防対策を行っているのは
気象庁と環境省ぐらいです

消防庁は「熱中症による救急搬送状況」の発表

厚生労働省は「健康・医療関係の熱中症情報」とありますが、情報発信というより、「救急搬送された患者の受入」で「熱中症の予防」という行為は私が見ている限りでは存在しません(啓発ポスターすら作らない)



文部科学省・スポーツ庁に関しては、小中学校での体育の授業を中止するなどの対策を取るべきだと思うのですが、慣習で続いている行事も多いです(夏の高校野球などは夏休み期間しか行えないとは思いますので、何とも出来ないんでしょうねぇ)


農林水産省 農作業死傷事故の発生状況を発表
https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/jikojoho.html
農業従事者は高齢者が多く、今までの感覚で暑さ対策をせずに頑張ってしまい、畑で倒れてそのまま亡くなるケースが多いです


国土交通省 2017.2.14のセミナー以降、取組が無い様に見えます

経済産業省 対策しているように見えません・・・
Twitterで呟いたら、「温暖化対策をやっても儲かるのは林業ぐらいしか無いので、金にならないことはやらないよ」と言われ、物凄く納得しました


観光庁は外国人観光客に向けてでしょう。日本の夏は世界的に見ても暑いですから


このように複数の省庁が絡んでいるのですが、日本の行政の悪いところが出ていて、見事な縦割り行政です
自分に関係のない仕事はしないので、「別の省庁がやってくれるだろう」という雰囲気がガッツリ出ています(気象庁と環境省除く)


ですので民間で対策を行わないといけなくなるのですが、啓発活動をするにもお金がかかります
そのお金を何処から持ってくるか・・・・となると、協賛企業や自治体から~となってますね
https://www.netsuzero.jp/


協賛企業も熱中症関連で商品が売れないと協賛できなくなりますので、売上の確保が重要になってきます


以上が今の日本の熱中症対策の現状です
農林水産省が言っている内容ぐらいしか言えません

ですが物凄く重要なことが抜けています
それが
「バランスのいい食事をする」
「睡眠をシッカリ取る」
です


保険医療でも何故かこの二つは軽視されるんですよね
特に食事は物凄く偏った食事をする人が多く、自分ではちゃんと食事をしていると言い返してきます

ですが農林水産省が出している「食事バランスガイド」に照らし合わせてみてみると、
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/attach/pdf/index-3.pdf(印刷用)
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html#tekiryo 適量の話

大半の人が「バランスのいい食事」をしていません
三食コンビニ弁当や外食なんて当たり前で、人によっては一食しか食べていないこともあります

一般的に今の日本人はたんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維の摂取量が低く、糖質・脂質の摂取量が多い傾向にあります

今の日本人はたんぱく質の減少が顕著・・・でしたが最近は回復しているようです
プロテインブームの影響でしょうか???
https://tokusengai.com/_ct/17501560

「最近はたんぱく質量が減少!!」と言って2013年までのデータしか出さないところは疑った方が良いですね


ただ、意識しているのはそれなりの知識がある人が積極的に摂るようになってた感じはしますが、
未だにプロテインはたんぱく質を英語で言った物 だと知らない人も多いですし(体感7割ぐらい)
タンパク質を細かくして吸収しやすくした物がアミノ酸だと知っている人も少ないですし、必須アミノ酸に至っては一般人はほぼ知らないと言っても良いと思います

ここのサイトでは「体重kg×1.3g=1日に必要なたんぱく質量g」と紹介していますが、この量を毎日摂ろうと思うとかなり大変です
高齢になってくると脂身の消化が出来なくなって胃もたれを起こして食事量が減ってきて、そのまま衰弱・・・ということも多いです

昔と同じだけの物を食べるのは難しくなってくるので、足りない分は高齢者向けの商品(出来れば保健薬)で補ってください
私も昔は揚げ物でも平気で食べれていましたが、最近は無理になってきて、揚げ物は控えるようになりました

食物繊維は野菜やキノコ類を切って炒めるだけで十分ですので、チャチャっと作ってください
食材から作らないと、市販のそれっぽい商品だと高価なだけで栄養価や食物繊維量は怪しい商品が多いです
特に安い食品は安くするために何らかの工夫がされていると思ってください
必要な栄養素を吸収しやすい形で必要量入れると、保健薬の値段になります
保健薬の半額以下のサプリメントは必要量の半分以下しか入っていないと考えて良いです(ひどい商品はほとんど入っていないこともある)


個人的にはカロリーベースよりも栄養価ベースで話して欲しいのですが、ややこしくなるのでこれで話しています
現代人は機械化が進んだ影響で昔ほど体を動かさなくなったので、糖質(主食)は減らしても良いと思いますが、他の栄養素はシッカリ取るべきです


睡眠ですが、都市部は連日熱帯夜が続いているのでエアコンを使わないと寝れないと思います
早朝も暑くて寝てられないと思いますので、睡眠時間が短くなりがちだと思います
睡眠時間が短くなると体力を回復しきれなくなりますので、疲れがたまってきて体調不良を起こします


睡眠は大切なのは知ってるはずなのに、睡眠を取れとは言われないのは不思議でなりません
寝不足はいい仕事と美容の敵だと空を飛ぶ豚も言ってます

冷房を入れて寝ると足が冷えるという人も多いです
足が冷える理由は明確には分かっていません
サイトを検索すると色んな情報が出てきますが、明確な論文から引用された物は見当たりませんでした

ただ、冷房をつけると足が冷える という人が多いのも事実なので、仮説を立てるとすると、
「毛細血管がエアコンで冷やされて収縮し、血行が悪くなったことにより足が冷える」
と考えられます

日本では昔から足湯の文化があり、足を湯につけることで血行を良くして足先の冷えを解消してきました
この理屈で考えればどうでしょう?


水分補給で注意して欲しいのは

・100ml程度を飲む
・一時間程度置きに飲む

です
500mlを一気に飲んでいる人が多く居ますが、一気に飲んでも吸収出来ません
スポンジのように少量を少しずつ入れてください。一気に入れても溢れてしまいます

溢れた状況で胃腸の働きが悪くなって、水分補給が無理になる場合もあります


・カフェインの摂り過ぎに気を付ける

多少なら問題ないのかも知れませんが、無意識にカフェインを摂っている人はかなり居ます
特にエナジードリンクを常用している人は注意

・アルコールで水分補給は出来ない

エチルアルコールはバソプレッシンを阻害するため、腎臓での水の再吸収の増加を阻害され、尿量が増えます
ビールを飲んだ時にトイレに行きたくなるのは水分量が増えるのとアルコールの薬理作用のせいです


俗に言うスイカやキュウリは夏場には必要な食べ物ですが、腎機能が衰えている人にはカリウム過多になりますので、医者から控えるように言われた人は控えてください。通常の人は意識してに食べてください。と言うと必ず食べ過ぎる人が出るので、スイカは1/8カット、キュウリは3本程度なら問題ない量になる計算です

カリウムよりもナトリウムに気を付けて欲しいのですがw


長くなってきたので、今回は予防の話で終わりにします

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2023年7月23日 熱中症について(動画用下書)

コミケの新刊、入稿しました
問題無ければスペースに届いていることでしょう

では以下本文


あまり夕方のニュースを見ないので、熱中症が話題になっているのかどうか分かりませんが・・・・


7月の場合、伊賀で30℃を超えているのは・・・22日中20日でした
35℃を超えているのは22日中3日
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=53&block_no=47649&year=2023&month=7&day=&view=p1


30年前を比較してみますと、30℃を超えているのは・・・31日中9日かな? 35℃を超えている日は一日もありません
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=53&block_no=47649&year=1993&month=7&day=&view=p1

都会はどうかと見てみますと、東京も同じようなものでした
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=44&block_no=47662&year=2023&month=7&day=&view=p1

東京だけではダメですので、他の都市も載せておきます

大阪
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=62&block_no=47772&year=2023&month=7&day=&view=p1

名古屋
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=51&block_no=47636&year=2023&month=7&day=&view=p1

福岡
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=82&block_no=47807&year=2023&month=7&day=&view=p1




連日「今日の最高気温は~」という話が出ますが、もっと意識して欲しいのは「最低気温の高さ」なんですよ
田舎はまだ比較的涼しいのですが、都心部は25℃以上の熱帯夜が多いです。
ヒートアイランド現象の影響なのですが、都市開発に影響が出るのか環境省がサイトにちょこっと載せているぐらいでマスコミや政治家は一切言いません
https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0406pdf/ks0406005.pdf
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/himr_faq/02/qa.html

平成22年度 熱中症とヒートアイランド現象の関係解析調査業務 報告書 というのが出てきたので、後で読みます(この記事を書いている時に発見しました)
https://www.env.go.jp/air/report/h23-02/index.html

平成22年の話ですので、随分古いデータですね
これ以降のデータがあったら教えてください


日中の最高気温が高いことも問題なのですが、特に都市部ではヒートアイランド現象によって夜になっても気温が下がらないことが問題なのです

土よりアスファルトの蓄熱効果は明確です
https://f.osaka-kyoiku.ac.jp/tennoji-j/wp-content/uploads/sites/4/2020/08/2004_29_37-42_tsutitoasufaruto.pdf(大阪教育大学付属天王寺中学のサイトより引用)

他にもサイトがあったのですが、このサイトが一番見やすかったです

つまり、地面が土の場合、日中の気温が上がっても夜間の気温が下がるということです
暑いことで有名な多治見を見てみますと、日中の最高気温は38℃を超していても、最低気温は25℃を下回っています
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=52&block_no=1058&year=2023&month=7&day=&view=p1

日田は25℃を超す日が若干ありますが、都市部のように27℃や28℃ではなく、高くても26℃以下です
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_s1.php?prec_no=83&block_no=47814&year=2023&month=7&day=&view=p1

伊勢崎はもっと暑いかと思ってたのですが、たまに暑い日があるぐらいで多くの日が25℃を下回ってます
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=42&block_no=1021&year=2023&month=7&day=&view=p1

一時的に暑くなりますが、日が暮れると涼しくなります。
ところが都市部はヒートアイランド現象の影響でアスファルトに熱が籠っており、都市部から熱が逃げないので連日熱帯夜になります


ちなみに同じ市内でもアスファルトで整地された市街地と山林や農地では気温が全然変わります。
ヒートアイランド現象を確かめたい人は夜間に山林から都市部に歩いてみると体感温度が一気に変わるのが分かると思います


熱帯夜ですのでエアコンを付けないと寝られません
エアコンを付けて寝ると体調が悪いという人も多いです(個人的には風邪(ふうじゃ)の影響だと思っている)

エアコンを付けずに寝ると、熱帯夜で眠れません。

睡眠を取れないとじわじわと体力が消耗していきます。




今の日本では信じられないかも知れませんが、
30年前は
・35℃を超す日はほぼ存在しなかった(都市や場所によっては稀に記録していた)
・30℃を超す日は数日程度しか無かった
・25℃を超す熱帯夜はかなり少なかった

ということで、今の日本のように最低気温は25℃を超すのが当たり前の環境ではなかったのです。



昨今の環境の変化を踏まえた上で、やっと熱中症の話です

未だに熱中症を理解しておらず、「症状が出てから対策する」という人や慣習で長時間炎天下の下でスポーツをしています
東京オリンピックのマラソンは東京が暑すぎるので札幌で開催されたんですが


メディカルノートさんを参考にすると
https://medicalnote.jp/diseases/熱中症?utm_campaign=熱中症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

I度 (軽度)
めまい
立ちくらみ
筋肉のこむら返り
手足のしびれ
気分不快

II度(中等度)
頭痛
吐き気や嘔吐
体のだるさ
力が入らない

III度(重症)
高体温
意識がない
全身のけいれん
呼びかけに反応しない
真っ直ぐに歩けない、走れない

I度 (軽度)でも対策してほしいのですが、多くの人は熱中症を疑いません

II度(中等度)まで行けば病院に行くようになりますが、
病院に行っても対処薬を出されて終わり・・・ということが多々あります
運営が投薬時は熱中症を疑います

III度(重症)になると自力で歩けません

多くの人は「熱中症になってから対策する」と言っていますが、自覚する人はIII度(重症)になってから慌てて救急車を呼んでいるので、手遅れです。
周りに人が居れば救急車を呼べますが、自力では電話出来ませんし、呂律が回らないので上手く喋れません。

頭痛が出ても痛み止めを飲んで終わり、体のだるさは何時ものことだと判断されます
吐き気や嘔吐や力が入らない症状が出ても熱中症を疑わない人が大半です

そうこうしているうちにIII度(重症)まで進行して倒れて救急車のお世話になります
「熱中症になってから対策する」と言ってますが、多くの人は対策せずにIII度(重症)まで進んでいる印象です



後遺症も出て来て、臓器不全が有名です(多いのは脳障害だそうです)
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/tnm99h7pes7r

熱中症と夏バテは別物ですが、今回は端折ります


急に暑くなることで不調が出ることは知られてきており、暑さに慣れると解決します(暑熱順化)
https://www.netsuzero.jp/learning/le15
夏場はシャワーだけの人が増えますが、湯船にシッカリ浸かって汗をかくようにしてください
それだけでも違います



その他の注意点
31℃を超えたら運動しない
https://www.nies.go.jp/wbgt/note.html

WBGT(湿球黒球温度)を参照するのが一番良いのですが、現実問題として常時使うのはほぼ不可能です。ですので簡単に分かる気温を指標にしてください。
色々書いてありますが、「31℃を超えると長時間・激しい運動は辞める」です
炎天下での運動は諦めて、エアコンの効いた室内での運動に移行してください



夜間熱中症は主に都市部で起こります。
原因はヒートアイランド現象の影響で夜間も気温が下がらないからです
テレビの影響で「熱中症は昼間に起こるもの」だと思い込んでいる人がかなり居ます
実際、昼間がリスクは高いのですが、電気代をケチったり、夜はエアコンを切る人がそれなりに居る、気温が30年前と比べてかなり高くなっていることを知らないなどの理由で夜は熱中症を起こさないと思い込んでいる人が多いです


運営も応急当番時には昼間が暑かった日に夜間発熱や吐き気があれば、病院の薬と一緒に経口補水液を飲ませています




水中での熱中症
https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/anzen_school/H30nettyuusyouPoolPamphlet/h30nettyuusyou_pool.pdf

見落とされがちなのが水中での熱中症です。家庭用の風呂でも「のぼせ」ることがあります。
理屈としては同じで、水温が高温になり過ぎてのぼせる状況だと解釈してもらって大丈夫です。
だいたい水温が33℃を超えるとのぼせることがありますので、長時間プールで遊ぶときは気を付けてください



飯を食え!!!!
暑いと栄養バランスの悪い食事が多くなりがちです(素麺のみとか)
暑いので料理を作るのもメンドクサク感じますが、栄養をシッカリ摂ることは大切です

栄養状態が悪いと暑さに耐えられません
実際、コミケで救護室のお世話になる人は
・睡眠不足
・朝食を食べていない
とのことですので、睡眠と食事は重要なのです。だから熱帯夜が続いて睡眠不足になったり、栄養バランスの悪い食事では体調不良になり易いわけです。
https://www.comiket.co.jp/info-a/C79/C79CtlgNotes2.pdf

そして食事もなるべく身体を温める食事をしてください
冷たい物が欲しくなりがちですが、冷たい物ばかり食べていると胃腸が冷えて吸収能力が低下し、夏バテを起こします




熱中症になったらまずは身体を冷やす
氷があれば首筋や脇を冷やす・冷水で体をふく・水槽に手足を浸けるなど、体温を下げることが重要です
症状が出てから水分補給しても間に合わないことが大半です




オマケ

ポカリスエットweb movie|「きょうはポカリびより!」篇 Long Ver.
https://youtu.be/x1R4M_iIJM4 @YouTubeより

ポカリスエットweb movie|「きょうはポカリびより!」篇 Short Ver.
https://youtu.be/vb3rb4o961w @YouTubeより

ポカリスエット×はたらく細胞|「ポカリスエットの秘密」第11.5話アフターストーリー篇
https://youtu.be/Ikewukp3Srk @YouTubeより

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2023年6月23日  今年の夏の養生法

湿邪と暑邪

東洋医学の考え方に六淫(風・寒・暑・湿・燥・火(熱)の6つの邪気)という物があります

天候によって影響を受ける物で、熱中症は寒い時には起こりませんし、しもやけは暑いときには起こりません
天候によって起こる病気を天気・気候から邪気を受けて気が病む(病気になる)と考えます

運営が解説していますので、ラジオ感覚で聞いてもらえれば

六淫について https://youtu.be/pEN7k7kfRWw @YouTubeより


長期予報では今年の夏は「暑くて雨が多い」と予報が出ています

つまり、「暑い(暑邪)」と「雨が多い(→湿気が籠る→湿邪)」と考えることが出来ます

まず暑いので、汗が多量にでます。
汗が出ると熱中症になりやすくなります。テレビで散々「熱中症に気を付けましょう」と言われているので、想像するのは容易いと思います

メディカルノートさんを参考にすると
https://medicalnote.jp/diseases/熱中症?utm_campaign=熱中症&utm_medium=ydd&utm_source=yahoo

I度 (軽度)
めまい
立ちくらみ
筋肉のこむら返り
手足のしびれ
気分不快

II度(中等度)
頭痛
吐き気や嘔吐
体のだるさ
力が入らない

III度(重症)
高体温
意識がない
全身のけいれん
呼びかけに反応しない
真っ直ぐに歩けない、走れない

I度 (軽度)でも対策してほしいのですが、多くの人は熱中症を疑いません

II度(中等度)まで行けば病院に行くようになりますが、
病院に行っても対処薬を出されて終わり・・・ということが多々あります
運営が投薬時は熱中症を疑います

III度(重症)になると自力で歩けません

多くの人は「熱中症になってから対策する」と言っていますが、自覚する人はIII度(重症)になってから慌てて救急車を呼んでいるので、手遅れです。
周りに人が居れば救急車を呼べますが、自力では電話出来ませんし、呂律が回らないので上手く喋れません。

頭痛が出ても痛み止めを飲んで終わり、体のだるさは何時ものことだと判断されます
吐き気や嘔吐や力が入らない症状が出ても熱中症を疑わない人が大半です

そうこうしているうちにIII度(重症)まで進行して倒れて救急車のお世話になります
「熱中症になってから対策する」と言ってますが、多くの人は対策せずにIII度(重症)まで進んでいる印象です


後遺症も出て来て、臓器不全が有名です(多いのは脳障害だそうです)
https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/tnm99h7pes7r

高校のクラブ活動中に熱中症になってから寝たきり・・・・という報告も聞きましたので、油断してはいけません
(未だに昭和の価値観を持った人が指導していますが、昭和の頃と比べて平均温度が2℃ぐらい上がってきているので同じようにはなりません)


熱中症を夏バテと一緒にする人が増えて来ましたが、全く別の症状です
急激な暑さでやられるのが熱中症で、夏場に栄養価の少ない物ばかり食べて盆過ぎぐらいから慢性的な疲れが出るのが夏バテです(最近の日本人は慢性的に栄養が不足しているので、常時バテているのかも知れませんが)

ですので、熱中症の対策は短期間(数時間)に対し、夏バテの対策は長期間(半月~2か月)となります
時期的に夏バテ対策は梅雨時期から開始した方が良いです
最近は梅雨明けと同時に35℃超えの猛暑日が来たりしますので、突然の暑さにやられる人が多いです

急に暑くなることで不調が出ることは知られてきており、暑さに慣れると解決します(暑熱順化)
https://www.netsuzero.jp/learning/le15
夏場はシャワーだけの人が増えますが、湯船にシッカリ浸かって汗をかくようにしてください
それだけでも違います

特にコミケ前は2週間ほど前(7月下旬)から汗をかくように生活してください

水分補給も水だけではなくミネラルも必要です
水分補給がやかましく言われていますが、水分補給は経口補水液が良いですが、食事である程度水分補給が出来ます
胡瓜や西瓜などの夏野菜を食べてください


湿邪に関してですが、湿気が高いと上手く汗をかけませんし、汗をかいてもなかなか乾燥せずに雑菌の温床となります

汗が乾かない方が簡単なので先にコッチから

汗が乾かないと雑菌が繁殖してあせも(汗疹)になります
あせもは好発部位が決まっていて、肘膝の裏側・首元・ベルトの上など汗が溜まりやすい場所に起こります
痒くなってから慌てて来る人が多いです

理屈が簡単なので、汗を拭きとって患部を清潔に保っていればあせもは出来にくくなります
スキンケアが重要です
痒い時はあせもに効く塗り薬を併用してください


最近は言われなくなりましたが、汗をかいたら着替えてください
あせもが出来やすくなりますし、汗をかいた状態で放っておくと気化熱で体表が冷えて夏風邪をひきやすくなります

また汗をかきすぎると中が冷えるので、水分補給で冷たい液体ばかり飲んでいると胃腸が冷えて消化吸収が悪くなります
夏バテの原因になりますので、一日に一度ぐらいは胃腸を温める食事をしてください
ラーメンやコーヒー(ホット)では胃腸は温まりません


汗をかけない人が増えてきたという話を聞きますが汗をかけないと体温を下げれないという不具合も出ますし、それ以上に
体表に余分な水分があることで浮腫み、じんましんや頭痛や手足の冷えなどの原因になります

さらに冷房や朝晩の冷えが加わる(風邪・ふうじゃ)と体が冷えて風邪(かぜ)症状が強く出ます(水は身体を冷やす・過剰な水は身体を冷やし過ぎる)


以上の理由により、今年の夏は胃腸障害や皮膚炎やだるさなどの症状が強く出ると思います
スキンケアをしながら栄養剤を飲んで何とか乗り切ってください

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