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洋画の記事 (6)

ぼんやりクラブ 2019/06/21 19:16

【読後の思考】壁の穴 (『ちぐはぐな部品』より/著者:星新一)

※一応ネタバレ注意






ちぐはぐな部品

壁の穴

大雑把な内容

青年がアパートの自室内で心当たりのない「不思議なナイフ」を発見。
試しに壁を突き刺すと、簡単に壁をくり抜くことができた。
できた穴から隣室を覗くものの、そこには建物の構造上ありえない空間が広がっており、青年は様々な風景を目にすることとなる。
どれもこれも美しく素晴らしい景色なので、見れば見るほど自分が哀れに思えてくる。
最終的に、自分の心臓にナイフを突き刺してしまうが、痛みはない。
身体のなかにできた空間に消えたのか、以来ナイフが現れることはなかった。

マルコヴィッチの穴を思い出した。
あとは動く城の「扉」。ハウルの。

知らない世界を覗き見るという行為が好きなので、コンセプト自体に面白さを感じる。

作品ではなくても、たとえば心霊スポット凸する動画みたいな、

・自分じゃ絶対行かないような場所
・自分がその場にいるかのような主観っぽい映像

のような要素あると見ていて楽しい。
秘境や廃墟へ潜る込むような映像もワクワクする。

創作において、こういったテーマだと監視カメラに魅力を感じる。

ホラー作品であれば、監視し続けることで「そこに何かとんでもないものが映るのではないか?」ミステリー作品であれば「対象人物が普段見せない素の一面を垣間みれるのではないか?」といった期待感がある。
また、状況の変化や行動パターンから次第に事実が露呈していったり、登場人物の推測から真実が導き出されていく、といった謎が解かれていく過程にも惹きつけられる。


そんな監視カメラが活躍する映画だと、「グッド・ネイバー」がオススメです。


カメラが捉える映像は、演出や編集のない「ありのままの」日常風景。
だからこそ、リアリティを感じる。

よくあるTV番組の「カメラが捉えた衝撃映像!(心霊・UMA系)」みたいなのはバリバリ編集しているだろうけど、「街中に設置された監視カメラに偶然映っていた犯罪者がとっていた行動(犯罪前後それぞれ)」みたいな実際の映像を見ると少し不気味に感じたりする。さらにいえば、TVではなくネットに素人があげている映像程、怖いものはない。
海外の得体の知れないやつ。情報がないほど怖い。

グッド・ネイバー」は怖くないけれど、うまく日常風景を取り込んでおり、そこにリアリティを感じられる作品なのでお気に入りです。

ちぐはぐな部品、読了。

創作サークル ぼんやりクラブ
Webサイト:http://bonyari.club/
Twitter:@bonyari_club

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