即興小説「思い出の桜」
こんにちは、皐月うしこです。
即興小説「思い出の桜」
Twitterのフォロワーさんとの会話の中で生まれた妄想
「新入社員で一人寂しく場所取りしてたら同じく場所取りに来てた隣の新入社員と意気投合して飲み明かした思い出」
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皐月うしこ 2019/06/20 12:00
(一年ほど前に別の場所であげたものをコチラに移植)
ある雨の日、小さなアマガエルが大きな葉っぱをぶら下げて、庭先をゆっくりと歩いていた。
次の雨の日、イタチがアマガエルの持っていた葉っぱをもって、庭先を歩いて横切っていた。
その次の雨、今度はキツネがその葉っぱの傘を嬉しそうに持ち、コンコン言いながら走りぬけ、次の次の雨で、ドジなタヌキが部屋の中にいる私を見て、その傘を庭に落としていった。
緑色の大きな葉っぱ。
葉っぱの裏側に小さな文字が刻まれている。
私には読めない。善意ある貸し傘なのだろうか。
「おや」
灰色に染まりゆく空から一粒、雨が降り出した。
庭先を横切る誰かが困ってしまわないように、縁側の下にそっと緑の葉っぱを置いておくことにしよう。(完)
皐月うしこ 2019/06/17 11:00
こんにちは、皐月うしこです。
即興小説「採用予定のメイド」
皐月うしこさんの採用候補メイド
【年齢】19歳
【身長】155cm
【体重】46kg
【バスト】AAカップ
【髪色】紫
【髪型】縦ロールロング
【性格】セクハラ好き
【CV】立花理香
らしいので、採用してみることにしました。
(例のごとくTwitterの診断メーカーで出た結果から妄想したお話)
ちなみに、ここに出てくる「もぉ」は皐月うしこの運営する「Fancy Field」のマスコットキャラクター的な存在です。
もぉの日常はコチラから読めますのでよろしければどうぞ。
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皐月うしこ 2019/06/15 15:00
電子書籍販売している「ありふれた魔女たちの日常」をファンクラブの方に公開中!
魔女の物語ばかりを詰め込んだ小説アンソロジー
私たちと同じように魔女にも日常があり、この世界のどこかで非日常な生活を送っているのです。
(収録作品)
・百年待ちの魔女
・魔女集会で会いましょう
・喫茶店で冷めないコーヒーを
・見習い魔女の秘密のレシピ
・閉じ込めたいほど愛している
・魔女になりたい男の子
・私が魔女にならない理由
・紫水晶が眠る呪いの谷で
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「見習い魔女の秘密のレシピ」
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皐月うしこ 2019/06/13 12:00
(一年ほど前に別の場所であげたものをコチラに移植)
ドロリとした感触が指先に絡まって、鈍い音をあげながら地面にボタリと落ちていった。落ちた瞬間に私の足に跳ね返ったそれは、見たことのない不思議な色。黒のような茶色のような、いやにまとわりついて腐敗臭を漂わせている。本当はそれが何か知っていた。今まで自分が捨ててきた善意や良心。それが綯い交ぜになって塊になって、ひどく長い年月がたつうちに得体のしれない何かになった。
「まだ、洗い流せば間に合うのだろうか」
ふと、自分でも驚くような思考が脳裏をよぎる。今までの人生で考えたことのない感傷が胸をついて、まだドロドロと足にまとわりつくそれを私は見つめる。
本来それは、とてもキレイなものだったのだろう。当時、私の目に見えていたモノクロの世界には決して映らなかった崇高な色をしていたのだろう。
「かわいそうに」
それに触れるとまた、ドロリとした濃密な感触が指先を伝って足元のヘドロへと落ちていく。そうしてまるで何かにとりつかれたように、泥をぬぐう指の先では私の心に住んでいたはずの竜が瞳に涙を浮かべて眠っていた。
「ごめんね」
迎えに来るのが遅くなってしまった。
まだ、間に合うだろうか
夢見た美しい世界への旅をもう一度、ここからはじめよう。