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『和ノ風 ~この街には物書きが住んでいる~ 』 第四話「奇妙な関係のはじまり」

 文具の会計を済ませた真緒は、零之介に続くように銀天堂の外に出た。
 数分後には午前11時を迎えようとしているが、灰色の雲が空を覆っているためか、日中にもかかわらずほんのりと薄暗い。

「雨が降りそうですね。真緒さん、どこか一息つけそうな場所をご存じですか?」
「うーん……あっ、それなら良いお店を知っていますよ! 案内しますね」

 そう言って真緒が先導し、街中を歩き始めた。
 二分と少しくらい経ち、やがてとある喫茶店の前にたどり着く。
 どこか懐かしさと異国情緒を感じさせるレンガ造りの外観が目を惹き、扉の近くには「本日のおすすめ」と書かれた文字やメニューが並んだブラックボードが置かれていた。

「この喫茶店です。『Cafe Smile』っていうんですけど、コーヒーもスイーツもおいしくて、お店の雰囲気も落ち着くんですよ!」
「ほほう、それは素敵ですね。早速入りましょう」

 今度は零之介が先頭に立ってドアを開けると、扉の裏に取り付けられた真鍮製のカウベルが来客を告げた。
 決して広くはない店内には木製のテーブルや観葉植物といったインテリアを中心に、優しく落ち着くような雰囲気で満ちていた。軽く見回すと二人掛けのテーブル席が四つ、カウンターには六脚の椅子が設けられており、客によって半分弱の席が埋まっている。

「いらっしゃいませ」

 程なくして一人の若い女性店員が出迎え、二人を店内のテーブル席まで案内した。
 それぞれ飲み物の注文を済ませると、外では小雨が降り始めていた。いわゆる春時雨というもので、窓から見える景色から小走りで消え去っていく人の姿がたまに見られる。

「お待たせいたしました。カプチーノと本日のおすすめブレンドです」

 程なくして先ほどの店員がカプチーノを真緒の前に、コーヒーを零之介の前に運んできた。「ごゆっくりどうぞ」と微笑んで一礼した店員が去り、二人は各々が注文した飲み物に口をつけた。

「んっ、美味しいですね。コクも苦みもちょうど良くて、僕好みです」
「ふふっ、気に入ってもらえて良かったです」

 真緒も一口つけた後、小さく笑みを浮かべた。

「さて、本題に入るとしましょうか」

 しばらくコーヒーを堪能し終えた零之介が、半分ほど中身の残ったカップを置いて語りかける。

「は、はい……あの、和井さん。その前にひとつ聞いていいですか?」
「おや、何でしょうか?」
「その……昨日知り合ったばかりの私に、どうしてそこまで良くしてくださるんですか? どうしても気になってしまって……すみません」
「いえ、謝ることはありませんよ。むしろ、当然の疑問です。世の中には甘いマスクや優しく巧みな口調と言葉で、若い女性を食い物にする不届き者もいますからね。傍から見れば、僕だってそう疑われても可笑しくありません」
「そ、そんな不届き者だなんて……」
「もちろん理由はいくつかあります。まず、何よりもこれのお礼です」

 零之介はそう言うと、懐から木製のお守りを取り出した。

「それって、昨日のお守りですよね?」
「ええ。このお守りは、僕にとって本当に大切なものなんです」
「なるほど、何か思い出の品とかでしょうか?」
「……詳しくは後ほどお話しします」

 一瞬だけ軽い沈黙が流れた後、零之介は再びお守りを懐に仕舞い、再び真緒に向き直った。
「次に、昨日の真緒さんの様子が気になったからです」
「私の様子、ですか?」
「昨日のうどん屋にて僕が『やりたいことをやっているだけ』と話した後、君の表情に陰りがあるのが見えましてね。それに違和感を覚えてしまい、どうも頭から離れなかったのです」
「違和感、ですか?」
「えぇ。真緒さん、あなたは昨日の時点では『明日から春休みを迎える』と言っていましたね? 普通の学生さんなら、その開放感や喜び、期待などから比較的明るい表情をみせることが多いはず。しかし、あなたからはそういったものを強くは感じず、むしろ何かしらの不安に押しつぶされそうになっている気がしたのです」

 零之介は無表情のまま淡々と話し続けていた。彼の話を聞いていた真緒も、

(す、すごい……あの一瞬でそこまで読み解いていたなんて……)

と心の中で驚きを隠せずにいた。まるで推理小説に出てくるような、名探偵のような印象すら受けてしまう。

「そして最後は……もしかすると不快な思いをさせてしまうかもしれませんが、あえてこう表現させていただきます」

 途中でカップの中身を飲み干し、再び口を開いた。

「真緒さん、あなたとは不思議な縁を感じました。恋愛とかそういったものではない、何かしら惹かれるもの……と表現すべきでしょうか? つまり、放っておけなかったのです」

 気づけば零之介の表情が先ほどの真剣なものから、初めて会ったときの穏やかなものへと変わっている。その変化を目の当たりにしつつ、真緒は直感した。
 この人は今、真剣に自分に向き会おうとしてくれている。更に邪な感じや恐怖、厭らしさといったものは一切感じない。

「……さん? 真緒さん?」
「えっ? あっ、すみません!」
「もし不快にさせてしまったなら、謝らさせてください」
「い、いえ! そんなことなんて全く……ただ」
「ただ?」
「こうやって真剣に私と向き合ってくれる人がいて、最初は珍しくて驚きましたけど、正直嬉しくて……」

 真緒も少しぬるくなったカプチーノに口をつけ、ふぅっ、と心を落ち着かせた。
 そして何かを決意したかのような表情になり、零之介の方に顔を向けた。

「和井さん、私の悩みを聞いてもらってもいいですか?」

 彼女の問いに対し、零之介は「どうぞ」と微笑んで頷く。
 それを合図に、真緒は昨日の進路希望調査票の一件や、先ほどの本屋で感じたことなどを話し始めた。途中で何度か言葉に詰まっても、目の前に物書きは穏やかな表情のまま黙って話を聞いている。
 やがて一通り話し終えたところで、真緒は最後にこう付け加えた。

「私には……自分が何をやりたいか、わからないんです」
「なるほど」

 零之介がそう呟いた後、左手の親指と人差し指を顎にあて、軽く目を閉じる。
 どうやらこのポーズは、彼が何かを考える際にとるものらしい。
 十秒近くの沈黙の後、彼はゆっくりと目を開き、真緒をまっすぐ見つめた。

「真緒さん」
「は、はい」
「もし僕でよろしければ、真緒さんの『やりたいこと』を見つけるお手伝いをさせていただけませんか?」

 彼からの意外な言葉に、思わず真緒は目を丸くした。

「そ、そんなことができるんですか?!」

 他のお客さんに迷惑を欠けないように声量を抑えながら、真緒は訊いた。

「えぇ。ただし、あくまで僕にできることはサポートだけです。最終的に見つけられるかどうかは、真緒さんの行動にかかっています」
「私の、行動?」
「具体的には今後、あなたに小さな課題を出していきます」
「か、課題!?」
「課題といっても、学校で出るような宿題とは違いますね。そしてその期限は課題によって変わりますが、ひとつずつ確実にクリアしてもらいます」
「な、なんだか大変そうですね……」
「そう身構えなくて大丈夫です。難しいものではありませんし、僕もヒントやアドバイスといった協力も惜しみませんのでね」
「な、なるほど。それなら安心ですね!」

一度は安堵した真緒であるが、一方で別の心配事が浮かび上がった。

「でも、和井さんもお仕事があるのに、なんだか申し訳ないような……」
「まぁ、そう感じてしまうのも無理はないですね……それならひとつ、僕からもお願いをさせていただきましょう」
「あっ、はい! 私にできることがありましたら、是非!」
「実は、僕には過去の記憶というものがほとんど欠けてしまっているんです」
「……えっ?」

 あまりにも突飛用紙もない発言に、真緒はその場で固まってしまう。

「覚えていることは、僕が『和井零之介』という名前の物書きで、この町に住んでいたこと。そしてこの和綴じの本や、先ほど見せたお守りがとても大切なものであるということだけです」
「そ、そういうことだったんですね」

 真緒は半信半疑なまま返事をしたが、零之介は気にする様子もなく続けた。

「信じるか信じないかは真緒さんに任せます。ただ、僕は知りたいんです。自分が本当は何者で、何のために生きているのかを……」

 言い終える頃には、零之介は窓の外に目を向けていた。しかしその表情はどこか寂しそうであった。

「だから一緒に探しませんか? 真緒さんは『やりたいこと』という未来への希望を、僕は失ってしまった過去を……いかがでしょうか?」

 彼は再び真緒に向き直り、手を差し伸べる。

「……はい! よろしくおねがいします!」

 そう言って真緒も手を差し出し、テーブルの上で互いに握手を交わした。
 気づけば外でも雨は止んでおり、雲の隙間から顔を出した日差しが二人のその手を照らす。

「さて、それでは早速始めるとしましょう」
「えっ? い、今からですか?!」
「もちろん、すぐにクリアしろという訳ではありません。書くものの準備はできていますか?」
「書くもの……えっと、ちょっと待ってください」

 困惑しながらも、真緒は先ほど銀天堂で購入したときのビニール袋を漁り、中からメモ帳とボールペンを取り出した。

「これで大丈夫です!」
「では改めて、僕から最初の課題を出しましょう」

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『和ノ風 ~この街には物書きが住んでいる~ 』 第三話「真緒の春休み」

「大将、ごちそうさまでした。また寄りますね」
「いつもありがとね、零くん! 真緒ちゃんも、また来てね」
「あっ、はい!」

 会計を済ませた零之介に続き、大将の笑顔に見送られながら真緒は店を後にした。
 時刻は午後2時前であり、商店街の人通りも先ほどより少ない。
 
「では、真緒さん。僕はこの辺で失礼いたしますね。お守りの件、本当にありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました! お昼もご馳走になりました」
「いえいえ。それでは」

 そう言って零之介は真緒と別れた。
 しばらく彼の背中を見送った後、真緒も商店街を出て、家路をたどり始める。
 昼前はまだ冷たい空気が残っていた道には、やわらかな陽だまりができていた。



 商店街を後にしてから十数分後、真緒は自宅にたどり着いた。
 西田家は二階建ての一軒家である。
 黒い屋根と薄いグレーの壁が特徴的で、玄関の右横には車二台が入るくらいの駐車スペースがある。ちなみに片方は来客用で、もう片方は父が仕事で車を使用しているため、今はどちらも空いている状態だ。
 真緒は玄関の金属で作られた黒い扉まで歩き、そのまま縦型のドアハンドルに手をかけた

「お母さん、ただいまー」
「真緒、おかえり」

 中に入ると、一階にある一室から母親が出迎えた。
 深紫色のボブヘアを後ろでひとつ結びにしており、四十代前半にしては若く見える。
 家事の途中だったためかエプロン姿で、少し垂れ目の黒い瞳が真緒を見つめていた。

「学校お疲れ様。お昼も食べてきたの?」
「うん。おいしいうどん屋さんがあったから、そこに行ってきた」
「あら、いいわね! 今度お母さんにも教えてほしいな~」
「すごくいいお店だったから、春休みの間に一緒に行こう」
「ふふ、楽しみ」

 しばらく母親と会話を交わした後、真緒は二階へと続く階段を上がった。そのまま三部屋あるうちの奥にある自分の部屋へと入っていった。
 広さ六畳くらいの室内には木製のベッドに勉強机、クローゼットや棚などが置かれている。
 通学鞄を勉強机の上に置き、中から取り出した宿題を整理した。
 一瞬、進路希望調査票と目が合ってしまったが、他の宿題のプリントで隠した。

「はぁ、宿題は明日からにしよう」

 そう言って真緒は制服を脱ぎ、クローゼット内のハンガーに掛ける。そのまま紫色の長袖Tシャツとカラフルなチェック柄の長ズボンに着替え、ベッドに寝転がった。
 しばらく白い天井を見つめていると、不意に今日の出来事を思い出した。

「和井、零之介さんか・・・・・・不思議な人だったなぁ」



「真緒ー、もうすぐごはんができるわよ」
「はーい!」

 しばらく部屋で寛いでいると、一階から母親の呼ぶ声が聞こえた。
 壁に掛けられた時計に目を向けると、時刻は午後6時を少し過ぎている。
 真緒はベッドから体を起こし、階段を降りて一階に向かった。
 一階にある大きな一室はリビングダイニングキッチンとなっており、既に部屋の中には揚げ物の香ばしい匂いが漂っている。
 真緒は母親の立つキッチンまで近寄り、匂いの正体を確認した。

「あっ、唐揚げだ!」
「ふふっ、真緒が好きなものを作ったわ。お父さんももうすぐ帰ってくるし、お皿並べるの手伝ってね」
「うん、わかった」

 そう言って真緒は戸棚からお皿を取り出し、机の上に並べ始めた。
 それ終えて洗い物をしていると、玄関から扉の開く音がした。

「ただいまー」
「お父さん、おかえり。お仕事お疲れ様」

 程なくして、ダークグレーのスーツを着た父親が、一階の大部屋に姿を見せた。
 横を刈り上げてパーマをかけた少し短めの黒髪に、真緒と同じ瑠璃色の瞳が特徴的である。

「おう、ありがと。真緒も学校、お疲れ」
「うん、ありがとう」

 それから間もなく母親が残りの調理を済ませ、真緒ができあがった夕飯をテーブルに並べる。
 今日の西田家の夕飯は、白米、鶏肉の唐揚げと千切りのキャベツ、わかめスープ、ほうれん草ともやしのごま和えといった献立だ。

「おっ、美味しそう!」

 着替えを済ませた父親も椅子に座ると、「いただきます」と各々手を合わせ、三人は夕飯を食べ始めた。
 外側がサクサクとした鶏肉の唐揚げを一口かじると、中から肉汁と旨みがじゅわっと広がる。スープの塩加減もちょうど良く、和え物も優しい味わいで、西田家の食卓には笑みが広がった。

「真緒、明日から春休みよね? 宿題以外に、何か予定あるの?」

 食事を始めてからしばらくして、母親が真緒に尋ねる。

「んっ、特にないよ。とりあえず宿題を先に終わらせておきたいかな」

 真緒はおかわりしたばかりの白米を一口食べた後、特に考えず言った。

「偉いわね。でも、遊ぶことも同じくらい大事よ?」
「母さんの言う通りだな。もし予定ができたら、遠慮なく父さんと母さんに言うんだぞ! 特に母さんは、夕飯を作る都合もあるしな」
「遊ぶことか・・・・・・わ、わかった」

 若干歯切れの悪い返事をした真緒は、残りのご飯と唐揚げを口に運んだ。



 翌日、真緒は朝食を済ませてから会社に向かう父親と、パートの仕事がある母親を見送り、一人残って宿題をしようと考えていた。
 ところが途中でお気に入りのシャープペンが壊れ、しかも運悪く芯を切らしていたことに気づいてしまった。

「しまった! テストとかが忙しすぎて完全に忘れてた・・・・・・」

 軽く落ち込んだ様子の真緒であったが、このままでは宿題が進められないため、急遽外出する支度を始める。

(えっと、確かあの本屋さんに売っていたはず)

 そう思い出しながら、真緒は外出用の私服に着替えた。
 


 通りなれた道を歩きながら、真緒は若葉通り商店街の入り口にたどり着いた。
 時刻は午前10時29分。
 多少暖かくなったとはいえ、まだ少し寒さが残っている。
 真緒はモカ色のパーカーに水色のジーパン、黒と白のスニーカーといった姿のためか、今の気温でも快適に感じている。

「そういえば天気予報見ていなかったけど……雨、大丈夫かな?」

 空を見上げると若干曇り気味であり、青空は隙間から見える程度だ。
 周囲の人々に軽く目を向けるが、傘を手にしている人は見当たらない。

「考えすぎ、かな?」

 真緒は小さくつぶやくと、そのまま商店街の入り口前を通り過ぎていく。
 さらに三、四分ほど歩いていくと、やがて看板に「銀天堂」と書かれた建物の前にたどり着いた。
 銀天堂。
 そこは昔ながらの本屋だ。セルフレジが導入されつつある有名店とは違い、今でも店員がレジ対応している店である。在庫確認やプレゼントの包装といった対応も丁寧で、文具や小さな雑貨も販売していることから、このお店を利用する人も多い。
 真緒が店内に入ると、「いらっしゃいませ」と女性の店員から声をかけられた。

「えっと……あ、あった」

 文具コーナーを歩き、目当てだったピンク色のシャープペンと黒い芯を見つけた。
 近くに置かれていた小さな買い物カゴに入れると、他にも予備のノートや消しゴム等も入れていった。

(文具はこんなところかな。折角だし、本も見ていこう)

 一通り文具をカゴに入れた真緒は、そのまま書籍の置いてある棚に向かった。
 小説や雑誌、漫画の置かれた棚を次々と巡っていく。普段から読書が趣味というわけではないが、本を読むこと自体は嫌いではない。

(そういえば本屋に来て、きちんと本を見るのは久しぶりな気がする)

 程なくして、一つの棚の前に立ち止まる。
 そこはビジネス書や自己啓発といった種類の本が数多く並べられていた。

「へぇ、結構あるんだね」

 真緒が棚に置かれた本を軽く眺めていると、

『世界一わかりやすい! やりたいことの探し方』
『猿でもわかる、夢を持つ方法』
『自分に自信を持つには?』

といったタイトルが次々と目にとまる。
 試しに一冊を手に取り、パラパラと適当なページをめくる。そこには重要そうな語句が大きく書かれ、更に説明らしき文章や図解が並んでいる。

(これとか、わかりやすそう! でも結構分厚いし、全部読み切れるかな?)

 少し不安に感じた真緒は手に取った本を元の場所に戻し、他の本でも数冊、同じことを繰り返していく。

(こっちは文章だらけで難しそうだし、あっちは面白そうだけど値段が高い……)
 
 真緒はカゴを片手に持ったまま少し俯き、しばらくその場に立ち尽くしていた。

「おや、真緒さん?」

 不意に横から、聞き覚えのある声がした。

「あっ、和井さん!」

 振り向くとそこには、零之介が立っていた。
 昨日と違って黒い作務衣を着ており、手には文庫サイズの小説らしき本を一冊持っている。
「偶然ですね。お買い物ですか?」
「はい、文具を買いに来ていたんです。和井さんもですか?」
「えぇ、たまたま面白そうな小説を見つけましてね。真緒さんも、何か本を買われるおつもりですか?」
「えっと、その……ちょっと迷っていて……」

 真緒はどう説明しようかと困惑してしまった。
 そんな彼女の様子と本のタイトルを見比べ、零之介は少し考える仕草をした後に口を開いた。

「真緒さん、このあと少しお時間をいただけますか? もしかすると、あなたの助けになれるかもしれません」

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『和ノ風 ~この街には物書きが住んでいる~ 』 第二話「桜に導かれて」

 そよ風が春の薫りを運ぶ中、真緒の時間だけがしばらく止まった。
 零之介と名乗る目の前の男性は、ただ静かに真緒を見つめている。表情は穏やかな感じそのもので、彼女の様子を窺っているようだった。

「あっ! す、すみません!」

 慌てて我に返り、真緒は立ち上がった。

「和井さん……でしったけ? もしかして、あなたが助けてくださったんですか?」
「えぇ、なんとか間に合って良かったです」
「あの、本当にありがとうございました! おかげさまでこの通り、怪我もありません」

 真緒は深々と頭を下げた。もし零之介の助けがなければ今頃、人生で最悪の思い出をひとつ増やす羽目になっていたに違いない。

「いえいえ、お嬢さんがご無事で何よりですよ」

 彼女の様子を確認した零之介は安堵の表情を浮かべた。そして、

「では、僕はここで失礼しますね」

と言い、彼は真緒に背を向け、ゆっくりと歩き始めた。
 舞い散る桜の花びらが彼女の視界に入るたびに、紺色の背中が少しずつ遠のいていく。
 やがて彼の姿が遠くに消えるまで、真緒はその場に立ち尽くしていた。

「……さて、そろそろ私も行こうかな」

 真緒はそう言うと、一本の桜の根元に置いていた通学鞄を持ち上げた。

カラン

 同時に軽い音をひとつ立て、何かが散歩道の固い地面の上に転がった。
 おそらく知らない間に、真緒の通学鞄の上に乗っていたのであろう。

「あれ? これ、なんだろう?」

 真緒が拾い上げて観察すると、それは丸い花の形をした木製のお守りであった。
 とても軽く、大きさは手のひらと同じくらいある。表面にはいくつかの文字が掘られており、微かに桜の香りがした。
 しかし何より気になっていたのが、まだほんのりと温もりを感じたことである。

(確か私の鞄は、桜の根元の日陰に置いておいたはず。ということは、これは誰かが落としたもの……まさか!)

 真緒は咄嗟に辺りを見渡すが、もちろん誰もいない。
 急いで通学鞄を肩にかけると木製のお守りをポケットに入れ、桜並木を後にした。

「おそらく、和井さんが歩いて行った方向は……」



 少し走っては軽く息を切らすのを繰り返しながら、真緒は「若葉通り商店街」へと辿り着いた。
 若葉通り商店街。
 ここは食料品店や飲食店を中心とした、多種多様な店が並ぶ昔ながらの商店街である。また梶宮市の中心的な通り道でもあり、地元の人たちからも長年愛されている場所だ。
 時刻は既に午後1時を過ぎており、飲食店も客足が減って落ち着いている様子が見て取れる。

「和井さん、まだ近くにいると良いんだけど……」

 真緒は先ほどよりも歩調を緩めながら、零之介を探した。

「あっ」

 程なくして、真緒の口から自然と声が漏れた。
 その視線の先には、商店街の一角にある建物に入っていく零之介の姿があった。

(見つけた!)

 小走りで彼を追いかけるように、真緒は入口の前まで近寄る。
 そこは二階建ての一軒家であり、一階を飲食店として運営しているようだ。入口近くの看板には「うどん・そば屋 山彦」と書かれており、藍色の暖簾も出ている。
 真緒はひとつ深呼吸をして、入口の引き戸を開けた。

「へい、いらっしゃい! 空いているお席へどうぞ」

 店内に入ると、厨房のほうから店主と思しき制服を着た中年男性が出迎えた。
 短く切った髪に、明るい顔つきと声色が特徴的だ。

「えっと、実は……」
「おや? あなたは先ほどの」

 真緒が説明をしようとしたところで、零之介から声をかけられる。
 声がした方を向くと、入り口から少し離れた場所にあるテーブル席に彼が座っていた。

「あっ、和井さん! 探しましたよ!」

 そう言って真緒は零之介のもとへ歩み寄り、ポケットから木製のお守りを取り出した。
 零之介はそれを見るや否や、少し動揺した様子で作務衣の上から何かを探すように弄る。
 しばらくして何かを確信したあと、彼は真緒からお守りを受け取った。

「ありがとうございます。このお守りは、間違いなく僕のです」
「良かった! やっぱり和井さんのでしたか」
「えぇ。このお守りは、とても大切なものでして……」

そう言って彼は更に、「一体、いつ落としたんだろう?」と小声で呟く。

「お嬢さん、本当にありがとうございました。なんとお礼を申し上げれば良いか……」
「いえいえ! 私の方こそ先ほど助けていただいたお礼もできたので良かっ」

ぐぅうううぅ……

 突如、真緒のお腹から鳴った音が言葉を遮る。
 両手でお腹を押さえると、彼女は少し恥ずかしそうに笑った。

「そういえば私も、お昼ごはんがまだでした……あはは」

 一部始終を見ていた零之介も、口元を緩めた。

「お嬢さん、もしよろしければ一緒にいかがですか?」



「そういえば自己紹介がまだでしたね。私は西田 真緒といいます」
「真緒さんですか。とても素敵なお名前ですね」

 自己紹介を終えた真緒は零之介の向かいに座り、昼食を取ることにした。
 注文の品を待つ間、真緒は店内を軽く見渡す。
 木を基調とした少し広めの店内は清潔感があり、どこか懐かしさを感じるような温かみを醸し出している。テーブル席には他に二組の客が座っており、穏やかな表情で食事を楽しんでいた。

「はい、お待ちどお!」

 しばらくして大将が、木製の脇取盆(一度に数個の椀や皿を運ぶ、給仕用の盆)に乗せた料理を運んできた。
 同時に出汁の上品な香りが漂い、鼻腔をくすぐる。
 真緒の前には「海老天うどん」、零之介には「きつねうどん」が並べられた。

「おっと、これはサービスだ」

 そう言って大将は、味噌が塗られたおにぎり二個ときゅうりの漬物が乗った皿を一緒に置いた。

「ありがとうございます、大将」
「こっちこそ! いつも寄ってくれてありがとね、零くん」

 大将と呼ばれた中年男性は、嬉しそうに零之介と言葉を交わした。
 傍から見ている真緒も、
 
(きっと大将さんの人柄も相まって、お客さんたちに愛されているお店なんだろうなぁ)

と心の中で呟いた。
 
「それにしても……」

 大将がちらりと真緒の方を見る。

「まさか零くんが、こんなに可愛いお嬢ちゃんと知り合いだったとは思わなかったよ!」
「彼女は先ほど知り合った、真緒さんです。それに今日は、ここのうどんを食べたかったのでね」
「かーっ、嬉しいこと言ってくれるね! 真緒ちゃんも、温かいうちにどうぞ!」
「あ、ありがとうございます!」

 笑顔で厨房に戻る大将を見送ると、二人は向き直って合掌した。

「「いただきます」」

 声を揃えた後、真緒は箸を手に取った。
 ほんのりと湯気の立つうどんを一口啜ると、柔らかな麺の食感と出汁の香りが口いっぱいに広がる。
 自然と真緒の頬が緩んだ。

「あっ、おいしい……!」

 続いてそのまま、海老の天ぷらにかぶりつく。
 サクサクとした衣に、ぷりっとした海老の食感が合わさり、「幸せ」という文字がそのまま表情へと滲み出ていた。

「気に入っていただけましたか?」
「はい! うどんも天ぷらも、すごく美味しいです!!」
「それは良かったです。麺やお出汁は勿論、おにぎりやトッピングの品まで、大将の仕事は丁寧ですからね」

 零之介は小さく微笑みながら、甘辛く味付けられた大きな油揚げにかぶりついた。 



 食事を楽しんだ二人は、大将が持ってきた急須で緑茶のおかわりを貰いながら、しばらく寛いでいた。お昼の営業時間のラストオーダーも過ぎており、今いる客は真緒と零之介のみである。
 大将も「ゆっくりしていってね!」と言い残し、厨房に戻っていった。

「そういえば、真緒さんは学生さんですか?」
「はい。梶宮高校の一年生で、今日から春休みなんですよ」
「なるほど、お昼頃に帰宅する学生さんが多かった理由がわかりました」
「修了式の関係で、午前中で学校も終わりましたからね。もちろん宿題とかもありますが、私も思う存分楽しもうかと……」

 ふと、真緒の脳裏に進路希望調査票の件が浮かび、言葉に詰まった。

「真緒さん?」
「あっ、いえ! なんでもありませんよ! ところで和井さんは、さっきの桜のところで何をされていたんですか?」
「僕ですか? あの場所で、ちょっと書き物をしていました。普段は家にいることも多いのですが、今日は天気も良かったのでね」
「書き物?」
「えぇ。これでも一応、物書きなので」

 そう言って零之介は斜めがけの鞄のように結ばれた風呂敷から、一冊の本を取り出した。
 鮮やかな緑色の紐で綴じられた「和綴じ本」であった。
 大きめの手帳ほどのサイズで、朱色の表紙に白い麻の葉文様が入っている。
 彼がページを何枚か捲ると、そこには文献で調べたと思しき情報や小説のものらしき一文など、様々な文章が綺麗にまとめれている。
 
「わぁ、すごい……!」
「こちらはいわゆる、覚え書きやメモのようなものと思ってください。小説の執筆や依頼などに使えそうな知識や情報を書き留めているだけですよ」
「なるほど! ちなみに依頼っていうのは?」
「小説以外にも依頼を受けては文章を作成したり、時には悩み事の相談にも乗ったりしているんですよ」
「へぇ、面白い! 物書きさんって、色々されているんですね」
「いえいえ、僕はただ」

 零之介は途中で湯呑に入ったお茶を少しだけ飲み、

「自分のやりたいことをやっているだけですよ」

 と真緒に向き直って言った。

「やりたいこと、か……」

 ぽつりと呟いた真緒は、湯呑に残ったお茶にしばらく視線を落とした。
 淡い緑色の水面には、どこか浮かない顔の彼女を映していた。

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『和ノ風 ~この街には物書きが住んでいる~ 』 第一話「そして二人は出会った」

※この物語はフィクションです。この物語に登場する人物、地名、組織名等は現実のものとは一切関係ありません。


 日本のM県に位置する梶宮(かじみや)市は、一言で表すなら「自然と文化が調和した街」である。
 古くから温暖な気候と心地よい風が吹く土地であり、山や海といった自然に恵まれている。一方、中心市街地はさまざまな商業施設で栄えており、特に週末は人通りも多い。
 何の変哲もない街、そこで暮らす人々の姿と笑顔。
 どこにでも当たり前のように存在する「普通」こそが、この街の日常を彩っている。

 これは、そんな日常に紛れ込んだ、ちょっと不思議なお話。



 桜が空を移ろう三月下旬の昼過ぎ。
 修了式を終えて午前中で下校となり、ブレザー姿の生徒たちが帰宅していた梶宮高校。
 その校舎の昇降口を通り、西田 真緒(にしだ まお)も帰り始めていた。
 外へ出ると、深紫色のミディアムショートヘアが風で静かに揺れる。また雲一つない青
空に浮かび太陽の光によって、彼女の瑠璃色の瞳が小さく輝いた。
 腕時計に目を向けると、時刻は午後0時34分を指している。
 用事があってしばらく学校にいたのもあり、他に下校している生徒の姿は見当たらない。
 出遅れてしまった真緒は校門を過ぎ、そのまま学校を後にした。



 住宅地へ出てから程なくして、真緒はおもむろに通学鞄から一枚の紙を取り出した。

「はぁ……」

 それを見つめるや否や、ため息を吐く。
 真緒が手にしているその紙は、白紙の進路希望調査票であった。
 彼女のクラス「1-A」の担任が春休みの宿題と一緒に渡したものだ。ちなみに宿題と同様、春休み明けに二年生へと進級した際、その新しいクラスでのホームルーム時に集められる。
 帰りの挨拶を終えた後、クラスの中には一部しばらく教室に残って、先ほどの進路希望調査票を書き終えてしまう人の姿が見られた。
 宿題を少しでも減らしたいため真緒も彼らを見習い、机に向かってシャーペンを握った。
 しかし、一文字も書けなかった。
 そして気づかされてしまった。
 
(私って将来、何をしたいか決まってない……)

 高校一年の期末テストの結果も良好、明日からは楽しみにしていた春休み。
 それまでの解放感と高揚感が、白紙一枚によって一気に不安で塗りつぶされてしまった。

「明日から折角の春休みなのに……」

 真緒は

「あっ、そうだ」

 暗く沈みそうになった気分を払拭すべく、真緒はとある場所へと向かい始めた。



 梶宮高校を後にしてから十分ほど歩くと、桜並木が広がる川沿いへ辿り着いた。
 土手に広がる緑には紋白蝶がひらひらと舞い、よく見ると木の枝にはメジロが留まっている。
 ここは梶宮市の中でも桜が綺麗なスポットのひとつ。そして真緒の密かなお気に入りの場所である。

「わぁ、綺麗……」

 真緒はそのまま歩き続け、目についた桜の木を背にして軽く腰掛けた。
 周囲を見渡すと川の向こう岸に咲く桜の花びらが散り、目の前を流れる川へと落ちていく。ふと目を閉じれば鳥の囀りや川のせせらぎが耳へと流れ、自然と心が癒されていくのを感じた。

「やっぱりここは落ち着くなぁ」

 目を閉じたまま、真緒は小さく呟いた。
 先ほど不安に駆られて暗くなっていた表情も、今は穏やかなものになっている。

「……さてと、帰りに何か食べて帰ろうかな」

 落ち着きを取り戻した真緒が立ち上がろうとした、その時である。

「あっ」

 伸びた草でよく見えなかったためか、真緒は足元にあった石に躓いてしまう。不運にもそのままバランスを崩してしまい、身体が川の方へ倒れそうになった。

(嫌っ! このままじゃ、川に落ちちゃう!!)

 直感的にそう感じ、真緒はキュッと目を閉じた。

 しかしいくら経っても、予想していた衝撃が襲ってこない。
 恐る恐る目を開けると、真緒はいつの間にか土手で尻もちをついていた。

「…………あれ?」

 状況が全く掴めず、しばらく真緒はその場で固まってしまう。
 今の一瞬で何が起こったのか、理解が追いつかなかった。
 
「ふうっ……お嬢さん、お怪我はありませんか?」
「へっ?」

 不意に、彼女の隣から男性の声が聞こえた。
 真緒は思わずそちらに振り向き、そのまま男性の姿を目の当たりにした。
 ふんわりとした黒茶色のマッシュヘア、前髪の一部は淡い黄色のメッシュになっている。 
 服装に関しては紺色の作務衣を綺麗に着こなし、墨色の革靴に似たものを履いている。
 縁の薄い眼鏡をかけており、その奥では山吹色の瞳が輝いている。
 男性は真緒と目が合うと、優しく微笑んだ。

「おっと、申し遅れました。僕の名前は零之介。和井零之介と申します」

 その時、一陣のやわらかな風が二人の間を通り抜ける。
 これが真緒と零之介の、最初の出会いであった。

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【書き物記事】サンプル記事「創作活動をしていて感じたこと」

※今後、小説とは別に書いていく日記や記事の、サンプルとして書かせていただきました。
こちらに関しては無料プランでなくても読めますが、これを機にフォローや支援してくださると嬉しい限りです。


「創作活動は孤独との戦い」

とはよく言われますが、最近つくづく痛感するようになってきました。

僕はあくまで物書きの活動をベースに、好きなこと・やってみたいことなどを色々と楽しむタイプの人間なので、そういう意味では独自性は高い方かと思います。

だからこそ、孤独を感じる時も多いです。

小説などを執筆する時、僕は一人の状態です。
それだけならまだしも、僕にはフォロワーさんや応援してくださる人がいても、自分と全く同じ内容・活動スタイルの人がいるわけではありません。

Twitterで始めた「Vtuberさんモチーフの140字小説」も新しい活動の一つとして注目されることはあっても、同じ活動をする人が増えるわけではありませんでした。


それによって生まれるのが、不安や恐怖、自分への疑念なのです。


「自分のやっていることは無駄なのでは?」
「もっと他にやるべき事があるのでは?」
「もしかすると誰にも注目されないまま終わるのでは?」


今もですけど、上記のような不安に苛まれることは日常茶飯事です。
それらによって、手が止まってしまったり、モチベーションが下がることも多々あります。
(仮に大丈夫と思っても、それは麻痺しているだけだと思います)

一方で、長いこと続けていったら慣れるか、といったらそうでもないと考えます。

人類の歴史を振り返っても、不安や恐怖がこの世から消えたことなんてありません。
時には、それらが支配する場面だってありました。

人間にとって、不安や恐怖は切っても切れない関係にある存在です。



では、孤独を感じた時にはどうすれば良いのか?
生まれてくる不安や恐怖には、どう向き合うべきか?

僕が考えるに、

「その気持ちを素直に受け入れ、形にして吐き出す」

ことが大事です。

もっと短くまとめるなら、

「無理に我慢をしないこと」です。

Ci-enに投稿した有料記事「140字小説を書き始めたきっかけ」でも書きましたが、僕は心身の不調で以前勤めていた会社を辞めた経緯があります。
その原因はまさに、無理に我慢したことです。

確かに世の中には我慢しなきゃならない、乗り越えなきゃいけない場面だってあります。

でも本当に大事なことは、その我慢が「自分の笑顔や真なる幸せに繋がるかどうか」です。

自分を犠牲にしたり、嘘をついて得られる幸せなどありません。
だからこそ、思ったことをきちんと伝えることは、とても大事なのです。

嬉しい時は嬉しい、嫌なときは嫌だ。
怖い時は怖い、寂しい時は寂しい。

それらをきちんと言える人の方が、無理に我慢している人間よりもよっぽど魅力的だと僕は考えます。


僕も正直に言うと、最近は寂しいと感じるときが多いです。

(知り合いやフォロワーさんには失礼な話にはなっちゃいますが、自分なんて消えてしまっても誰も悲しまないだろう、なんて自虐してしまったこともありました)

しかしだからこそ、それらに押しつぶされないことの大切さに気付き、方法を考えるきっかけにもなりました。

余談ですが、たまにTwitterスペースを開いていたのも上記の関係です。

僕はやっぱり誰かに向けて言葉でも文字でも「話す」のが好きだな、ということに改めて気づかされましたね。
(そうでなきゃTRPGとかも続けていないので)

また4月中にYouTubeかTwitchにて、ゲーム実況や雑談といった配信活動にも本腰を入れていこう考えているので、そちらも始めたら是非よろしくお願いいたします。
(寂しがり屋な部分もある人間なので、コメントしてくださると子どもみたいに大喜びします)



……話が逸れてしまいましたが、不安や辛さに負けそうなときは、誰かに話したり、文字に起こしたりするなどして形にしてみると、少しは解消されるかと思います。

それに人間はなんだかんだで優しい生き物です。
形にして伝えた時に、誰かしら手を差し伸べてくれることだって珍しくはありません。


だからこそ、気持ちはどんどん伝えていきましょう!
それが孤独を感じた時に気持ちを少しでも楽にしてくれる、シンプルながらも効果的な方法です。
(もちろん、言葉はきちんと選びましょう!)

最後にひとつ、僕の好きな言葉を残してこの記事を締めくくります。


「言葉は生きている時にしか生み出せない。

そして形にして伝えていかなくてはならない。

なぜなら『伝わらない』は『価値がない』からだ」


以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも応援よろしくお願いいたします。

和井零之介

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    フォローありがとうございました!よろしくお願いいたします⭐

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