「かかと」が弱点の人 アキレウス
今回はFGOにおけるアキレウスの台詞の元ネタを解説してみます。
Fateネタよりもギリシア神話ネタを中心に解説しています。
なお、解説には間違いがある場合があります。
ご注意ください。
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▶召喚時の台詞
「いいサーヴァントを引き当てたぜ、アンタ!
ってな訳でライダーのサーヴァント、アキレウスだ。
……そうそう、踵(かかと)が弱点でお馴染みの英雄さ。
ま、俺の踵を捉えるなんて、誰にでもできることじゃあねえけどな!
人類最速の足、伊達じゃあないぜ?」
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「アキレス腱」または「かかと」が弱点なのは有名だね。
アキレウスのママである「海の女神テティス」は、息子を不死にするため、
ギリシア神話における「三途の川」みたいな大河「ステュクス」にアキレスを浸す。
だけど、テティスの手はアキレウスの「かかと」をつかんでいたため、
そこだけは水に浸からず、かかとだけ不死にならなかったよ。
じゃあ、アキレウスのかかとを射抜いたのは誰かというと…
トロイア(イーリアス、トロイ)の王子で、ヘクトールの弟「パリス」だよ。
トロイア戦争で調子に乗ってたアキレウスのかかとをズドン!
アキレウスはしばらく暴れた後、命を落とす。
そのパリスも、ヘラクレスの弓を持ち、
彼の恋人♂でもあるピロクテテスに射殺されるのであった。
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▶霊基再臨1の台詞
「やっぱ、コイツが一番しっくりくるんだよなぁ。
固めた鎧はどうも苦手だ。
母上には、ちと悪いんだけどよ。」
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この台詞の元ネタは「新しい鎧をくれたアキレウスの母テティス」だろうね。
トロイア戦争において、ギリシア軍がピンチになった時、
アキレウスの親友パトロクロスは彼の鎧を借りて戦った。
この時、アキレウス本人は、
ギリシア軍の総大将「アガメムノン」への不信から、
戦争に参加する事を拒否していたよ。
親友の鎧を着て活躍するパトロクロスだったが、
そこへトロイア軍の英雄ヘクトールが現れ、
パトロクロスを討ち取ってアキレウスの鎧も奪ってしまう。
パトロクロスの死でブチ切れたアキレウスは、
出陣を決意。
こうして彼の母「テティス」はアキレウスのために新しい鎧を用意し、
彼に授けたのだった。
そしてアキレウスの台詞「母上には、ちと悪い」…
これは「母テティスがくれた鎧を着てなくて悪い」…
ということ!(多分ね)
そんなわけで「霊基再臨1」で着ている鎧は、
「母テティスがくれる前の鎧・最初に着ていた鎧」なのだろう。
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▶霊基再臨3の台詞
「おっとぉ……これはこれでいいもんだ。
不思議な事に、動きを阻害しないのが分かんねぇんだよなあ。
戦場じゃあ目立ちまくることこの上ないが……
元より英雄ってのは、誰より目立って殺される目に合わなきゃならない。
ま、鎧を巡って殺し合いするのはどうかと思うけどな!」
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これの元ネタは「アキレウスの鎧をめぐる大アイアースとオデュッセウスの争い」かな?
アキレウス死後…ギリシア軍はアキレウスの遺体を確保する。
その後、アキレウスの鎧をめぐって、
「オデュッセウス」と「大アイアース」が争ってしまうよ。
最終的には、オデュッセウスが勝つんだけど…
大アイアースが怒ってオデュッセウスを殺そうとして…
女神アテナがそれを食い止めたら…
何か色々と嫌になった大アイアースは、自害してしまうよ。
「鎧をめぐって味方が争う」・・・確かにどうかと思うね。
そして恐らく、この「黄金の鎧」が「母テティスがくれた鎧」である!
…多分!
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▶宝具時の台詞
「クサントス! バリオス! ペーダソス! 行くぞ!
命懸けで突っ走れ! 我が命は流星の如く!
『疾風怒濤の不死戦車』!! ハッハーッ!」
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宝具で使用しているのは、
アキレウスが戦場で駆ったと言われる三頭立ての戦車(チャリオット)だよ。
「クサントス」と「バリオス」はもともと「海の神ポセイドン」の馬だったけど、
「アキレウスの父ペレウス」とテティスが結婚したさいにアキレウスに贈られた。
「ペーダソス」は、アキレウスがエーエティオーンの町を攻撃したさいに手に入れた馬。
後にペーダソスは、パトロクロスがトロイア軍のサルペードーンと戦った時に、
サルペードーンの投げた槍が外れてペーダソスに当たり、亡くなる…
クサントスとバリオスは、アキレウス死後に再びポセイドンの馬になったそうな…
ところで「白、茶色、黒の馬」がいるけど…どっちがどっちなんだろうね?
ちょっと調べても分からなかったよ…
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▶上司・王について(マイルームでの会話)
「どーも生前から、上司だ王だってのは苦手なんだよなぁ
……先天的に合わないんだ。
相手も自然とそうなるから、本当に始末におけない」
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この台詞の元ネタは恐らく、「アキレウスとアガメムノンの対立」だろうね。
アガメムノンはトロイア戦争のギリシア軍の総大将で、
この戦争においてはアキレウスの上司的な立場。
そのアガメムノンにアキレウスは、
戦利品として妻にした「ブリセイス」を奪われちゃう。
怒ったアキレウスは、戦争に参加する事を拒否。
だけど、戦争に参加しなかったせいで、
アキレウスの友達「パトロクロス」がトロイアの英雄「ヘクトール」に討たれてしまうのだった。
まあそんなわけで…
「アガメムノンという面倒な上司がいた」から
「上司だ王だってのは苦手」なんだろうね。
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▶ケイローン所持時の台詞
「げ……先生いるのか。
あ、いやーその、味方ならいいんだ。
うん……いや、一度戦ったんだよ。
あの人、ガンガン殴ってくるわ、関節バッキバキ極めるわ……
思い出すだけで悪夢だ」
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これは『Fate/Apocrypha』ネタと神話ネタの両方だね。
ケイローンは、Apocryphaにおいてはアキレウスの敵であり、
「黒のアーチャー」として彼と殴り合ったよ。
ギリシア神話においては、アキレウスの教育係。
さらにヘラクレスとカストルに武術や馬術を教え、
イアソンを養育し、アスクレピオスには医術を教えたよ。
まさに、ギリシア神話界のお師匠様だね。
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▶ヘラクレス所持時の台詞
「お、ヘラクレスか。
……大丈夫。味方、味方、味方……!
いやしかし、
一度くらいは闘って見るのもいいんじゃないかって俺ぁ思うんだがダメか?
ダメ?……ちぇー」
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ギリシア神話において、ヘラクレスとアキレウスの師匠は、
2人とも同じケイローン先生だよ。一応は「兄弟弟子の関係」なわけだね。
それともう1つ…ヘラクレスとケンタウロスたちとの争いに巻き込まれて、
ヘラクレスの放った毒矢が誤ってケイローンの膝に命中しちゃったことがあるよ。
その後、不死身のケイローンは苦痛から逃れるために、
ゼウスに頼んで不死身の能力をプロメテウスに譲り、死を選ぶ。
その死を惜しんだゼウスはケイローンの姿を星にかたどり、射手座にしたという…。
そんなわけで、ヘラクレスはアキレウスにとって…
事故とはいえ師匠の仇…なわけですね。
だからてっきり、敵意むき出しのバキバキアキレウス君…
かと思ったらそんなことなかったね…でもちょっと怒ってる?
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▶アタランテ所持時の台詞
「アタランテの姐さんかぁ──
なに、いいさ。
今はああして笑えている。
それだけで俺は十分に満足だ。
マスター……感謝してるぜ」
これもApocryphaネタだね。
同陣営かつ同郷のサーヴァント。
お互いの実力を認め合い、真名を把握しあったりと、
確かな信頼関係にある。
ギリシア神話では、アタランテちゃんはアキレウスの父親「ぺレウス」とその他の愉快な仲間たちとで猪狩りをしたり…
ペレウスとレスリングしたりしているよ。
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▶エルドラドのバーサーカー所持時の台詞
「あー、ペンテシレイアもいるのか。
うん、『詫びのためなら殺されてもいい』とは思っていたが……
マスターが守れなくなるからダメだな。
今の俺はサーヴァント。
悪いが、敵対するならまた殺すし、味方になるんなら……
背中を預けるさ」
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ギリシア神話においては、
ペンテシレイアはトロイア戦争の際にトロイア軍側につき、
アキレウスと戦い、命を落としている。
ちなみに、アキレウスがペンテシレイアを殺した事を後悔していると、
ギリシア軍のテルシーテースが「なに悲しんじゃってんのww?」という感じでからかった。
それにブチ切れたアキレウスは、テルシーテースを撲殺した。
…そんなわけで、ペンテシレイアはアキレウスのこと憎んでいるんですね。
Fateの世界観だと、また少し違う設定があるけど…。
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▶ヘクトール所持時の台詞
「ヘクトールか……ま、味方になるならいい。
敵に回すと厄介だからな。
俺からは手を出したりしな……ぁ痛った!
……ッ、ヘェクトォールッ! てめ石ブツけやがったなぁ!
よしもう一度、一騎討ちだ!
逃げるなよぉ! 槍が外れるからぁ!!」
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これの元ネタは、トロイア戦争におけるアキレウスとヘクトールの一騎打ちだね。
ヘクトールはトロイア戦争におけるトロイアの英雄…
そしてアキレウスの親友パトロクロスを討ち果たしている。
それにブチ切れたアキレウスは、一騎打ちでヘクトールを倒し、
彼の遺体を戦車で引きずり回した…むごーい。
これは石も投げたくなりますわ…。
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