投稿記事

ゲーム制作の記事 (30)

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

異世界のヘリオン製作記② 声優さんレコーディング編

異世界のヘリオン記事の続き……その前にLocatone creator contest 2022のグランプリ&特別賞の3組をソニーミュージックさんがインタビュー記事を出してくれました。

前編 https://cocotame.jp/series/036739/
後編 https://cocotame.jp/series/036779/

異世界のヘリオンに関してとLocatoneの試みに関して話させていただきました。
舞台めぐりの話も懐かしいです。

グランプリ寺田さん、特別賞(アイディア賞)TAKAHASHI×2さんの2組のお話もかなり刺激的でした。ゲーム畑じゃないだけに同じツールを使ってもアプローチもアイディアも全く違っていてまた何かでお会いできたらと願っています。

写真はさすがソニーミュージック。
なんかアーティストっぽい感じで恥ずかしさがありました笑
よかったら読んでみてください。


異世界のヘリオン予告編

話は戻って前回の続き。声優さんのキャスティングを固めていざ収録開始です。

↓前回記事
異世界のヘリオン製作記① 企画と声優キャスティング編
https://ci-en.net/creator/11851/article/765836


声優経験ゼロの岸みゆさんと、声優経験ゼロの方を収録する経験ゼロの自分と、音響チームでのスタジオ入り。これは緊張感あります笑



収録の流れ、マイクの使い方、声優的な発声技術などは未経験なのでディレクションありきでしたが、岸みゆさんはかなり台本を読み込んで家で練習してきてくれたのがわかるお芝居。

台本を読み込んできているかどうかは録れば結構わかります。

キャラを把握している。
感情のラインが間違っていない。
漢字の読み、イントネーションを全て調べてある。
固有名詞なやセリフの意図で不明点があれば質問を先にしてくれる。

などなど。
声優さんが台本にめちゃくちゃメモしているのを見ると向き合ってくれていると嬉しくなります。


ゲームはキャラごとの抜き録り(ひとりずつブースに入り自分のセリフだけ収録)なので、前後の他のキャラのセリフの感情も想像した上でお芝居を考えなければいけません。

シャドーボクシングじゃないですが相手の動きも自分で作る必要があります。
そのため下読みは超大事です。


完全に余談ですが、『聖なるかな』などでも収録時に「この役はどなたが演じられますか?」と声優さんに聞かれたりもしました。

誰か分かると「その人だったらこういう芝居をする」と想像しお芝居を調整したり、セリフの間合いを変化させていました。

ここがグチャグチャになると会話のテンションがよくわからなくなったりします。

次に収録する声優さんが「○○さんが先に録ったこのセリフを聴いてもいいですか?」とセリフを聞いた後に「なるほど〜こうきたか〜」と言ってからお芝居したりするのはエキサイティングだなって感じました。

ライター側や音響ディレクターが違っていたら調整します。
それでも最初から台本を読み込んできてくれる方はしっかりシナリオに沿った演技プランを持ってきてくれます。

収録前に「このセリフを言う時の感情がちょっとわからないのですが」と質問してくださったりもして非常に助かります。

多忙な方は台本を読み込む時間がなかなかない現実もあるのですが、やっぱりシナリオライター的には嬉しいですね。


話を戻します。

声優経験ゼロの場合は、無口系や感情があまりない系のキャラだと形になりやすい(形というかそれっぽくなる)とヨスガはお芝居難易度を下げたキャラにしようと考えていました。

ですがプロット作っているうちに、さらにシナリオを書いているうちに、元気で喜怒哀楽がはっきりした芝居が必要なヨスガになってしまいました。

感情表現が豊かなキャラクターは声だけで表情付けがかなり必要で、声優初挑戦の方にはハードルが高いです。
なぜなら台本を「読む」ことに集中して「キャラクターが話している」空気にならず、棒読みっぽくなりがちです。

そこの部分は正直かなり心配していたのですが、むしろナチュラルに感情が弾むようなお芝居が上手くハマり、声も高音ハスキーでノイズのないクリアボイスと特徴的で、録れたものは想像を超えるものでした。

岸みゆさんヨスガを演じきってくださり大感謝です。

知り合いのクリエイターやディレクターにも「初声優でキメのシーンがしっかりキメてるのはすごいね」と高評価でした。

声優さんもアイドルさんも俳優さんも、少しベクトルは違えど表現者としてのスキルはとても高いと改めて感じました。


岸みゆさんの後に、主役である羽黒ヘリオンを前田佳織里さんの収録です。

収録前に前田さんのお芝居は色々と聞いていたので、かなり安心して収録に臨みました。

羽黒ヘリオンは剣聖ヘリオンとは別人であり同じ人なのですが、前田さんの声は元々のヘリオンの雰囲気に自分的イメージが近いです。

このヘリオンは「元々のオドオド弱気で自信がない妹キャラ」と真逆。
「生真面目で行動的で引っ張っていくキャラ」になっています。

当然声優さんも異なるので性格も声も違います。
それなのにしっかりヘリオンの印象が保たれているのがすごいです。

お芝居全編にわたってお芝居がとても細かいからだと感じました。

今回のシナリオは意図的に音声だけで状況を説明しないといけません。

「外で聞く」
「聞き直すことがまずない」
「移動先と状況の説明」
「物語」
「ゲーム的な指示」

これらの条件のセリフはほぼヘリオンに集約されています。

唐突にメタな「MAPを見て○○に移動してください」という音声も物語の中に入ってきます。
個人的にゲームはシステム的解説もキャラがやった方が好みだったりします。

永遠のアセリアではエスペリア、聖なるかなではレーメが担当していましたね。

前田さんのヘリオンはすべてのセリフが緻密な印象でした。

車で言えば「直線とカーブで印象的な走り方をする」というより「コースすべてで細かく精密なアクセルとブレーキをコントロールしている」的なお芝居でした。

例えがわかりにくいですが、全部がヘリオンだからキャラが立体的に解像している感じです。
喜怒哀楽の臨場感とも言いますか……。

まさにLocatone版コンセプトの「隣に自然にいる」感覚になり、ヘリオンがヘリオンらしくなったのだと思います。
すごく難しいことを実現していて前田さんにお願いしてよかった!と大感謝です。

異世界の少女であるヘリオンの緻密なお芝居と、現実のアイドルであるヨスガの少し浮世離れした雰囲気がマッチする不思議さ。

ゲーム作りの音声周りはまだまだ奥が深い、と我ながらとても勉強になりました。


今回のオペレーターの根津辰彦役の波多野翔さん。今作の唯一の男性声優さんです。

実はこの役は難しく、ほぼ司令室のような場所から遠隔でプレイヤーとヘリオンに指示をしています。

事件の現場にいるわけでもなく、無線で「今どうなってる!?」や難しい決断を迫られたりする役回りです。

「踊る大捜査線 The Move」での室井さんの役割ですね。刑事ドラマ好き的には必要なポジションです。
大体こういう役は、マイク前で眉間にシワを寄せて、状況がわからないけれど責任負わされる立場……つらいですね。

根津は物語でもそんな感じです。

キャラの掛け合いも遠距離ですし、状況は確実には掴みきれない、それでいてお芝居自体は聞いているプレイヤーに通信で話すもの。

しかもプレイヤーとヘリオンどちらに対しても兄のようなポジション。

それでいて警察として正義に対しての葛藤も持っている。

こちらの提供するキャラの背景などの情報が不足していて、感情の置き所がやたら難しいキャラを波多野さんが頑張って演じてくださいました。

「お芝居の迷いはシナリオ・キャラの迷い」と心に刻んでいるわけですが、自分のシナリオ・キャラの迷いで苦戦させてしまった部分もあり大変申し訳なく!

情報が足りない中で、収録中にキャラをまとめてくださって大感謝です。
次回はもっとキャラクターの解像感をあげておきます。


以上が今回のキャラクター収録編です。

声優さん以外にも、音響ディレクターさん、音響エンジニアさん、芝居指導の声優さん、各マネージャーさんのおかげで、新鮮で刺激的な作品が作れました。

自分の方がとても勉強になりました。

前田佳織里さん、岸みゆさん、波多野翔さん、関係者の皆様ありがとうございました!

異世界のヘリオンの物語はまだ始まったばかり。
ヘリオン、ヨスガ、根津は今後もストーリーに登場します。ご期待ください。

異世界のヘリオン遊んでくださった方ありがとうございました!

渋谷で遊ぶことが叶わない方向けに今後何らかの公開方法を考えていきます。

以上で異世界のヘリオン収録編②を終わります。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

デジゲー博と高熱の中作ったフライヤーと動画(※動画は応援プラン以上です)

フォロワー以上限定無料

フォローで記事が読めます。ぜひフォローよろしくお願いいたします。

無料

【 応援プラン 】プラン以上限定 支援額:500円

プランに加入すると、この限定特典に加え、今月の限定特典も閲覧できます 有料プラン退会後、
閲覧できなくなる特典が
あります

バックナンバー購入で閲覧したい方はこちら
バックナンバーとは?

月額:500円

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

【お知らせ】Locatoneコンテンツ『異世界のヘリオン』開発終了&11/1リリース!

お待たせいたしました。
順番が前後し思ってもみない流れですが、15年ぶりに自分が作る永遠神剣の新作ゲーム

Locatone サウンドアドベンチャーゲーム『異世界のヘリオン』完成です。
11/1よりLocatoneアプリ内で公開となります。

本作品はSONY SoundARアプリLocatoneのLocatone Creator Cntest 2022のファイナリスト出品作品となっております。
とは言え作ってみたかったものを好き勝手に作ったので、特に優勝なども目指さずに新しいパラレル?のヘリオン主役の作品を作りました。

↓シナリオ予告編音声ver

渋谷の駅前からスタートする物語で、位置情報と連動し自分の足で遊ぶサウンドアドベンチャーゲームとなっております。

位置情報サウンドARアプリ Locatone 内で11/1リリース
アプリは以下のHPからのリンクで各OS版をDLしてお楽しみください。
https://www.locatone.sony.net


『異世界のヘリオン』サウンドドラマ部分はキャストさん3人に演じていただきました。
異世界ヘリオンは新しい試みの塊にしよう、というコンセプトでキャスティングも新しい試みとなっています。

CAST

羽黒ヘリオン CV前田佳織里
上杉ヨスガ CV岸みゆ(#ババババンビ)
根津辰彦 CV波多野翔

https://twitter.com/kaor1n_n/status/1584853215509520384?s=20&t=IiaEN_E_IXpp_L_bWTZX5Q

https://twitter.com/miyu_kishi0213/status/1584832255494885377?s=20&t=IiaEN_E_IXpp_L_bWTZX5Q

https://twitter.com/hatakake_0506/status/1584828474237542400?s=20&t=IiaEN_E_IXpp_L_bWTZX5Q

素敵なキャストの皆さんに演じていただきました!
新しい挑戦は脳が覚醒する感じでとても創作意欲を掻き立てられますね。
多くの縁が重なって集まってくださいました。


公開前日の本日31日に開発終了し、2ヶ月間の開発で最後はほぼ寝ずに作ったため現在完全にポンコツになっております。

この間にエノンの主題歌完成したり、ユーフォリアプレリュードも少し進んだりと色々しています。
Ci-enの記事も明日から更新できるのでヘリオン含めてババババッとこの1ヶ月半くらいのことを書いていきます。

コンテストの一般投票期間は11/1 - 11/11 昼11:59までに現地で遊ぶと投票となります。
ぜひお時間ある方や、ヘリオンの新しい物語が聴きたいぞ!という方は遊んでいただければ幸いです。
無料です!びっくりだ!

それでは今日はここまでで……。
告知色々したら寝ます!

フォロワー以上限定無料

永遠神剣シリーズの制作進捗などの見守りプラン。フォローして頂けるだけで嬉しいです。

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3 4 5 6

月別アーカイブ

記事を検索