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2021年 09月の記事 (6)

らふすけっちいんく 2021/09/26 22:00

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らふすけっちいんく 2021/09/19 18:00

【内容紹介】拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」〜vol1. 既存キャラクターの調整〜

みなさんこんにちは、ラフスケッチのデザイナーの香川俊宗(Toshimune Kagawa)です。

本日はナナに代わり、次回のゲームマーケット2021秋で発売予定の拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」に収録予定の既存キャラクターの調整についてお話していこうと思います。


今回の拡張セットでは前回の記事でお話した通り、新たなゲームボードや新たなキャラクター、様々な術式の追加を予定しておりますが、調整された既存キャラクター(固有術式)も収録予定となっております。

今回調整の対象としたのはタオ・サラ・リンの3人で、それぞれ以下のように調整を加えております。


◆タオ:上方調整
◆サラ:上方調整
◆リン:下方調整



上記3キャラクターは特にユーザー様からのご意見を多くいただきまして、開発チーム及びテストプレイチームで検討・テストを重ね、今回の調整へと至りました。これにより全てのキャラクターが使い方次第でしっかりと輝けるようになったのではと考えております。

それでは、各キャラクターについて調整内容の詳細を記載していきます。
(説明の順序はリン→タオ→サラとさせていただいております)


リン

リンは拡張セットで次のように下方調整をしております。


リン覚醒前調整内容


リン覚醒後調整内容

上のカードイラストの通り、リンの調整点は以下の2つとなります。

・得られる初期ボーナスを任意の知識3から1に変更(覚醒前)
・固有術式の能力のコストを最低1個から必ず5個元素を支払うように変更(覚醒前・覚醒後)


リンは他の世界線ではメイドとして活躍しておりますが、みなさまご存知の通り非常に学力が秀でた少女であります。ですので、桃色飲茶娘でも知識特化キャラクターにするというコンセプトの元で生まれましたが、実は開発初期のリンは非常に使い勝手が悪く、最もテコ入れが入ったキャラクターでした。
調整を重ねるごとに徐々に使い勝手が改善されていき、その結果他キャラクターと遜色ない強さに引き上げることができたと開発チーム間でも共有しておりました。

しかし、以下の要素の組み合わせにより、特に少人数戦において無類の強さを誇るキャラクターとなってしまいました。


基本セットに収録されたリンには3つの強みがありました。

(A)序盤の爆発力
(B)知識の独占(少人数戦だと特に顕著)
(C)終盤の得点効率

それぞれの項目ごとに強さの理由をご説明し、拡張セットでの調整の意図を後述します。


(A)序盤の爆発力

リンは特定の条件と手順を踏むことで他のキャラクターとは圧倒的な差をつけて基礎術式を1枚覚醒することが可能です。それはすなわち、レベル2の上級術式に最速でアクセスできることを表します。

基礎術式「抽出”汎”」の覚醒条件は知識が6に到達することです。
この条件は、リンの初期ボーナスの知識を同じ知識に3振り分けることで、うまく組み合わせれば理論上どの番手であっても1番最初の行動で「同一の元素を3個持った状態で固有術式を起動」することにより早々に達成することができます。

これにより、早々にレベル2にアクセスでき、強力な術式を一番に起動・獲得することが可能です。


また、リンは知識トラックのボーナスで豊富な気力を獲得しやすいキャラクターではありますが、固有術式で元素のブーストができず、逆に多くの元素を要求されるキャラクターです。故に、序盤のリソースマネジメントが難しくなりがちですが、前述の「抽出”汎”」の覚醒により、早々に「抽出”極”という元素のブースト手段を獲得します。


上記2つの理由により、序盤から素早く安定感のある立ち回りが可能となっていました。


ここで、本項目の課題点は上記の行動の再現性と汎用性にあると考え、今回の調整で初期ボーナスの知識を3から1に減少しました。

これにより調整前のように1番最初の行動でいきなり知識を6にし、「抽出”汎”」を覚醒するという行動はできなくなりました。
しかし、同一の元素を5個用意すれば調整前のリンと変わらない序盤のスタートを切ることができるので、元々のリンのプレイ感はしっかりと残しております。

一方で、調整前と比較して元素を2個余分に使用することとなるので、開拓や鍛錬など、他の行動を犠牲にする必要があります。これにより序盤〜中盤のリソースマネジメントがシビアなテクニカルなキャラクターに落ち着いたと考えております。


(B)知識の独占

このゲームではその名の通り桃を如何にして手に入れるかが重要なポイントになっています。

リンはその固有術式の通り、知識トラックでは無類の強さを誇ります。
知識トラックでは全プレイヤー間で先着で最大5つの桃を入手する機会がありますが、当然リンはこの桃を入手できる可能性が高いです。逆に、ここで桃を1つ以下しか取れないとかなり苦しい戦いになりますが、4人戦においても他のプレイヤーを牽制しつつ行動すれば2つは十分に確保できるキャラクターだと考えております。

一方で、2人戦、3人戦になると、リンと知識トラックで戦う母数が単純に減少するので、場合によっては5つの桃をすべてリンが独占するという状況が生まれてしまいます。

さらに、知識トラックの進行度によりゲーム終了時に勝利点が入りますが、前述した通り、多くの知識トラックをリンが1位でゲームを終了します。故に、他のキャラクターはゲーム終了前に見た目の勝利点でリンをある程度上回っておく必要があります。


この項目に関してはリンの最大の特徴かつ魅力であり、リン以外のキャラクターでもしっかりと知識トラックを意識してプレイをすれば十分に妨害が可能なため、知識の獲得量自体には調整を入れておりません。

一方で、拡張セットでは新たな知識特化キャラクターが登場する予定ですので、少人数戦においてもキャラクターの選択次第でひりついたマジョリティ争いが期待できますので、是非楽しみにしていてください。

また、これにより他のキャラクターが知識トラックから桃を獲得する機会が相対的に失われることとなりますが、拡張セットでは桃の新たな入手手段を多分に拡充しておりますので、特にタオなどが桃が全然手に入らずに負けてしまうという理不尽さは低減されていると思います。


(C)終盤の得点効率

本項目が今回リンを調整する最大の理由となったポイントです。

リンは覚醒することで固有術式が知識を上昇しつつ勝利点を獲得する能力になります。これは、ゲーム中盤の知識をまだ上げている途中では他の固有術式と比較しても得点効率はよくないのですが、ゲーム終盤で知識が上昇しきった後が問題でした。

以下が各キャラクターの固有術式と上級術式の得点効率を比較した表になります。


得点効率表A ※気力3→元素1換算で計算

上記の表の通り、元素を1つ消費することで圧倒的な得点効率を出力しております。
問題は効率だけではなく、元素を1つしか消費しないので、消滅術式「瞑想"滅"」(気力12獲得)をゲーム中に大量に確保することで、最終ラウンドで気力12でマナを戻すことで固有術式を繰り返し起動し、11点(12点)の勝利点を3度、4度と獲得することが可能となっておりました。


ここで、今回の調整により固有術式の起動に必ず元素を5個支払うようになったので、勝利点の効率が以下に調整されました。


得点効率表B

これでもまだ他のキャラクターと比較して効率が良いと感じられるかもしれませんが、リンは今回の調整により序盤のスピードが落ちるので、上記表のような最大効率で固有術式を起動できるタイミングは格段に減少しております。ですので、ゲームを通してのリンの効率は1.07〜1.20程度に落ち着きました。


これらの調整により、元のキャラクターの魅力を保ったまま、他のキャラクターと足並みを揃えることができたのではないかと考えております。


タオ

タオは拡張セットで次のように上方調整をしております。


タオ覚醒後調整内容

上のカードイラストの通り、タオの調整点は以下となります。
(※タオは覚醒後の調整のみとなり、覚醒前の調整はありません)

桃→全元素x2の能力を選択肢に追加(覚醒後)


タオは鍛錬を少ないコストで行うことが可能であり、序盤から積極的にマナを増やしていき、その手数の多さから桃を中心としたリソースマネジメントを行い、終盤の巻き返しを狙うキャラクターです。


得点効率表C

得点効率の面でも上記の表のように高い水準にあり、特に1マナあたりの最大獲得勝利点は全キャラクター中トップです。


このように、自由度が高く桃色飲茶娘らしいキャラクターではありますが、限定術式「錬成"丹"」(桃→全元素x2)の獲得の有無に最も影響を受け、全く異なったゲーム展開を強いられておりました。

タオは決して自身の覚醒が早いキャラクターではないので、なかなか狙ったレベル2、レベル3の術式を獲得しにいくことが難しいです。

ですので、自身の固有術式の選択肢のひとつに桃→全元素x2の能力を追加することにより、安定した立ち回りを保証しました。


また、前述の通り拡張セットでは桃の新たな入手手段を多分に拡充しておりますので、覚醒の手段が開拓や知識トラック依存にならず、より自由度の高いキャラクターに仕上がったと考えております。


サラ

サラは拡張セットで次のように上方調整をしております。


サラ覚醒前調整内容


サラ覚醒後調整内容

上のカードイラストの通り、サラの調整点は以下の4つとなります。
・元素1→同一元素2を2回から3回までに変更(覚醒前)
・覚醒条件を6枚覚醒から4枚覚醒に変更(覚醒前)
・元素1→同一元素2を3回から4回までに変更(覚醒後)
・元素4→勝利点6を重複可に変更(覚醒後)


サラは錬金術を得意とする神であり、本作のテーマである錬成のスペシャリストということでコンセプト段階では誰でも扱いやすいよう非常に強いキャラクターとして生まれました。テストプレイにおいても安定した強さを誇り、その度に調整(主に下方)が加えられたキャラクターでもあります。


サラの最大の課題は自身の覚醒が非常に遅いことであります。覚醒が遅いこと自体はこのキャラクターのコンセプトでもありますが、基礎術式を6枚覚醒させているうちにゲームが相当に進行してしまい、追いつけないといった展開が多々見受けられました。

そこで、自身の覚醒条件を基礎術式の4枚覚醒とし、序盤のリソースマネジメントの負担を軽減するため、固有術式の能力も上方調整しました。


覚醒後についても、元々安定した得点効率と1マナあたりの最大獲得勝利点のバランスが非常に取れたキャラクターでしたが、最大のシナジーである消滅術式「錬成"有"」(元素9個獲得)と組み合わせたときの強さは変わらない為、安定性を向上させるという意味合いで元素4→勝利点6の錬成を重複可としました。また、元素の錬成能力も微向上しております。


これらの調整により、当初のコンセプト通り、初めて桃色飲茶娘を遊ぶ方にオススメできるキャラクターにまとまったと考えております。




以上が、次回の拡張セット「桃色飲茶娘 夜桜狂想曲」に収録予定の既存キャラクターの調整になります。


今回の調整についてですが、必ずしも調整後のカードで遊ぶ必要はなく、今まで通り調整前のカードで遊んでいただいても構いません。(経験者卓に混ざる初心者の方などには是非調整前のリンなどオススメいただきたいです)

ラフスケッチはミドル〜ヘビー級のボードゲームの魅力をたくさんの方に広めるべく

・初めて遊ぶ方の参入障壁の低減
・ゲームを最後まで楽しめる導線作り(中盤の道筋・ゲーム終盤のワンチャン性の担保・圧倒的差によるゲーム中の離脱の防止)
・もう一度遊びたい

の3つを第一モットーに今後も開発を続けて参りますので、ぜひ皆様応援いただけますと幸いです。


今後も拡張セットの情報や、その他の情報もCi-enで発信していきますので、是非フォローをよろしくお願いします!

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らふすけっちいんく 2021/09/12 18:00

【設定資料】下町メイド物語 vol.1 〜メイドの歴史〜

みなさんこんにちは!ナナです!

暦上は秋に突入して、少しずつ涼しい日も増えてきましたね(=^ ^=)

前回はラフスケッチの作品すべてに共通するテーマについてお話しました。
来年以降に発表する予定の新作でもこちらのテーマに沿って展開していきますので、まだ読んでないよ!という方はお時間があるときに是非ご一読くださいませ><

下町メイド物語について

さて、本日はラフスケッチ最初の作品である「下町メイド物語」についてお話していこうと思います。(私のデビュー作でもありますよ!)

この世界では私の憧れであり目標でもある「メイド」は就くことが非常に難しい職業で、誰でもなれるというものではありません。
「メイド協会」に認可を受けた教育機関(王立ファルテシア学園のような)で然るべき教育を受け、試験に合格し、ライセンスを授与されなければなりません。



左から「仮ライセンス」「コミュニアライセンス」「エスパティエライセンス」

全てのメイドは例外なく「仮ライセンス」を取得をするところからスタートし、正式なメイドとして認められるのは「コミュニア」からです。「仮ライセンス」には期限があり、この期間中に一定の成果を上げ「コミュニア」として認められないと基本的にはメイドになることができません。

かつては「仮ライセンス」と「コミュニア」の2つのライセンスしかありませんでしたが、「コミュニア」の中でも特に優れた能力を持つ人材が現れ、徐々に一括りに扱うのが困難となり「エスパティエ」というライセンスが登場しました。

「エスパティエ」になるには何かの試験があるというわけではなく、「メイド協会」が特別に認めたメイドだけが「エスパティエ」を名乗ることができます。(ルルさんたちフォルセティはみんなエスパティエ!)



ボードゲームの中でも「仮ライセンス」を取得することがひとつの目標になっています。

これらのライセンスを持たずにメイドと同じような仕事・依頼を受ける人々は闇メイドと呼ばれ、その数は正規のメイドよりも圧倒的に多いとされ、国際問題になっています。

メイドは優秀であるが故に報酬が高く、狭き門であるが故に脱落者が多く、それなりの能力でいいから安く雇いたいという需要とメイドには及ばないがそれなりの能力を備えた人材の供給というバランスが取れてしまい、その数は増える一方なのです。


さて、それではここからはなぜメイドがここまでの社会的地位を得たかというメイドの歴史についてお話していきます。

メイドの歴史

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らふすけっちいんく 2021/09/04 15:00

【設定資料】ラフスケッチの描く世界観について

みなさんこんにちは!ナナです!

今週からCi-enを始めましたが、早速たくさんの方にご支援いただいており本当にありがとうございます(;▽;)

Ci-enに初めて登録したよ!という方もたくさんいらっしゃって、感謝で胸がいっぱいです。
Ci-enではまだまだボードゲームというジャンルで更新をされている方が少ない状況ですので、そのような中でご登録いただいているのは本当に特別なことと痛感しております。

さて、そんなみなさんの期待に私たちも全力で応えるべく、9月はホットな情報を毎週更新していきたいと思いますので、是非楽しみにしていてくださいね(=^ ^=)

ラフスケッチの描く世界観

早速ですが、前回は【先行情報】をお届けしましたので、今日はこれまでに世のどこにも出していない【裏情報】をお届けしていこうと思います。


ラフスケッチはこれまでに「下町メイド物語」「最後の巫女」「桃色飲茶娘」の3作品をリリースしてきまして、ありがたいことに3作品ともプレイしたよ!持ってるよ!という声をたくさんいただいております。

一方で、「パッケージはかわいいけど、ゲームシステムが重い」「世界観がめちゃくちゃ暗い」といった声も多くいただいております。

今回はその"世界観"の部分についてお話していきます。


先ほどご紹介した3作品のように、ラフスケッチの作品には実はある共通したテーマがあるのです。


左から「下町メイド物語」「最後の巫女」「桃色飲茶娘」

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らふすけっちいんく 2021/09/01 15:00

【先行情報】桃色飲茶娘の拡張について

みなさんこんにちは!ナナです!

初の有料記事を書いておりますが、あまりの責任の重大さにドキドキしております...!><

さて、記念すべき第一回目ということで、今回は皆様に先行情報をお伝えいたします!!

ラフスケッチは次回のゲームマーケット2021秋に出展しますが、あらかじめお伝えしていた拡張2作品のうち、一作品は桃色飲茶娘の拡張セットに決定いたしました!!(もうお気づきの方もたくさんいらっしゃったみたいですが...!)


そして、今日はどどーん!とパッケージイラストも公開しちゃいます!!!!!(≧▽≦)

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