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シグナスA-1 2022/07/09 23:29

「お面紛失!? こころの幻想郷旅」英語化プロジェクト

7月2日に「Kokoro's Gensokyo Journey: The Lost Masks」がSteamでリリースされました。

これは「お面紛失!? こころの幻想郷旅」の英語化に対応したものです。
従来通り、日本語でも遊ぶことができます、

この記事では英語化にあたり感想や留意点を備忘録・報告書としてまとめます。

経緯

  • 5月下旬:HakanaiBlueさんから英語翻訳の提案を受ける
  • 6月12日:英語版の仮完成
  • 6月18日:Steamストアページ公開
  • 7月2日午前:Steamリリース
  • 7月2日午後:ver1.12bパッチ公開
  • 7月8日:ver1.12cパッチ公開

きっかけ

「お面紛失!? こころの幻想郷旅」を英語化しようと思ったきっかけは、5月下旬にHakanaiBlueさん(@HakanaiBlue)から英語翻訳の提案を受けたことでした。

初めて提案を受けた時点では、承諾しようかすごく悩みました。
というのもこのゲームは初リリースから約3年経ってる昔のゲームであること、自身の英語力がほぼないこと、そもそも作ったところで需要があるか不明瞭なことなどあったからです。
一方で見ず知らずの自分に声をかけていただいたこと、自分のゲームを翻訳したいと思うほど評価していただいていること、これからゲーム開発者として復帰するための足掛かりにしたいことなどの肯定する気持ちもありました。
最終的には後者の気持ちが勝ち、英語化プロジェクトをスタートさせました。

配信プラットフォーム

さて英語化を作るとして、どこで配信しようかという話になりました。
今までこころの幻想郷旅はDLsiteとBOOTHで配信していました。
しかしこれらはほぼ日本のユーザーだけで海外向けとは言えません。

というわけで最初はitch.ioを考えていました。
これは過去にも検討したことがあり、無料で簡単に配信できる認識でした。
と考えていた矢先、HakanaiBlueさんからSteamでリリースしたらどうかという提案が...

「あの最大手プラットフォームのSteamで!?
自分のゲームを??」

と当然のように思ったので断ろうと思っていました。
が、やっぱりSteamで影響があるのかという好奇心が上回りSteamに決定!

Steamリリースの特徴

幸いにもSteamリリースの作業はこちらのブログにとても丁寧に書かれていたのでこれを見れば"多少は"簡単にできます。
そう、ブログを見ながらでも実は結構面倒だったのです。
そこは下の欠点で触れようと思います。

利点

ユーザー数が多い

Steam最大の利点。
宣伝が疎かでもなんだかんだ見てもらえる。
同じようなジャンルが好きな人にはおすすめに表示されるので見つけやすい。

バージョンアップが楽

今までバージョンアップをする場合、アップデート用の実行ファイルを作成→配布&告知→ユーザーがダウンロードして適用するという形でした。
ただこの形、開発者側はもちろんのこと、ユーザー側も手間がかかるものでした。

一方てでSteamだとアプデ後のファイルをアップロードするだけ完了。
告知もプレイ直前の見やすい場所に表示されるし、たとえ告知を見逃していてもアップデートボタンが表示されるのでアプデ忘れもない。
しかもこのアプデ、バイナリファイルの実行ファイルでさえ差分を取ってその分の通信をするだけなのですぐにできる。
さすが最大手なだけあってこの辺は非常によくできていました。

フィードバックをもらいやすい

ストアページに付随してレビュー欄と掲示板があるのは便利。
誰もレビューしないと思っていたのにリリース一種間で3件ももらえました。
ここら辺は上記のユーザー数が多いってところもあるかもしれません

欠点

SteamWorksパブリッシャー登録が大変

ありとあらゆる個人情報を入力しないといけないのが大変でした。
本名、住所、振り込み口座はもちろんのこと、本籍地や出生地まで聞かれました。
ちゃんと手元に資料を集めた上で3時間近くかかったので余裕があるときにやっておきましょう。
ちなみにこれは承認まで10日ほどかかるので注意。

設定項目が多い

あらゆるゲームや表示に対応するためなのか、作ったゲームについて設定しないといけない項目が多いです。
その中でも特に多いと感じたのは画像。
サイズ違いで10種類の画像を作らなければなりません。
追加でスクリーンショット4枚以上と予告動画。
今回の予告動画はHakanaiBlueさんに作っていただきましたがこれも負担が大きそうです。

リリースに時間がかかる

信頼があるプラットフォームなので審査が存在します。
そのため、リリースのスケジュールにはかなり余裕を持たせる必要があります。
今回の場合、ストアページの審査に3日、ゲーム本体の審査に2日でした。
その他にもSteamWorksパブリッシャー登録から30日、ストアページの公開(審査完了)から2週間が必要と制限が多いです。

ちなみに、リリース日は米国時間で月~金の間しか設定できません。
これはPDT 米国太平洋標準時なので金曜夜に設定すると、日本の土曜朝にリリースされます。
何か重大なバグが見つかっても対応しやすいのでオススメです。

英語版の開発

ここまではSteamの登録作業について書きましたが、当然ゲーム本体の英語版の開発も行う必要があります。

文字列の置き換え

私のゲームに表示する文章(以降、文字列と表記)はCSVファイルから読み込むものとソースコードから直接読み込むものがあります。
前者に関してはそのまま翻訳担当に渡すだけですが、後者は分かりやすいように1つのファイルにまとめる作業が発生します。
特にあらかじめ定義しないでそのまま書いてあるコードは変更に時間がかかりました。

基本的には翻訳担当の翻訳スピードがほぼ完成スピードに直結します。
量が多いなら分けて送るといいでしょう。
送る際には改行コード、コンマ、ダブルクォーテーションの扱いもスムーズにいきます。

デザインの変更

文字列を置き換えたら完成!簡単!
というわけにはいかないんですよね残念ながら。
そう、忘れてはいけないのは日本語と英語では文字列の長さが異なります

文字列の長さは文字列の種類によってだいたい決まっていて

  • 英語の発音そのままのカタカナは日本語>英語 例:ジャンプ(8)とjump(4)
  • ひらがな、カタカナで発音が同じものは日本語≒英語 例:こころ(6)とkokoro(6)
  • 漢字は日本語<英語 例:旅(2) Journey(7)
  • 固有名詞はまちまち

固有名詞はファンの間で既に定着したものがある場合は要注意です。
今回のゲームでは迷いの竹林(10)とBamboo Forest of the Lost(25)が最も差が大きかったです。

日本語≧英語の場合はそのままで大丈夫ですが、日本語<英語の場合は枠からはみ出すため変更が必要です。
今回は主に3種類の変更をしました。

枠を大きくする

最も簡単な対策。
欠点としては日本語を入れた際に余白が生まれ少し不格好な形になります。
可能なら文字列の長さを読み取ってプログラム内で調整しましょう。
(このゲームでもしてるところがあります)

文字を小さくする

逆に中身を小さくしようという発想。
実は結構理にかなっていて、英語は日本語と比べ文字が小さくても読めるという性質が利用してます。

配置変更

もうそもそも配置すら変えて別デザインにする方法。
実装コストは高いですが、自由度が高いため違和感のないデザインにできます。

英語ロケールでのテスト

Windowsシステムの言語設定(ロケール)を英語にテストしてちゃんと動くか確認しましょう。
これを怠ったせいでver1.12bを急いで作らないといけない事態に陥りました
なぜなら、リリース時点のver1.12では英語ロケールで動かないバグが報告されたからです。

結局バグの原因はCSVファイルの文字コードにShift-JISを使っていたことでした。
これは「コンピュータ上で日本語を含む文字列を表現するために用いられる文字コード」であるため当然英語ロケールでは動かなかったというわけです。
どの文字コードを使うかはゲームライブラリによって異なると思うので要確認です。

最後に

なんだかんだ非常に文章が長くなってしまいました。
これでもまだ書ききれていないこともあるためそれだけここ一ヶ月半の密度がすごかったってことですね。
でもこれぐらい書かないと未来の自分がまたSteamリリースを考えるときに同じ轍を踏んでしまうため仕方ないですね。

いろいろ苦労した点とか書きましたが全く英語化のことを考えていないゲームを約一ヶ月半で準備できたので思ったよりは上手くいけました。
最初からグローバル化を見据えて実装を考えていると早いかもしれませんが、それはそれで日本語オンリーより時間がかかるので後付けでいいと思います。

さて、本文中でもちらっと書きましたがそろそろ次のゲームの開発を始めないといけない頃かなーと思っています。
次の報告ができるのはかなり先になりそうですが、気長にお待ちいただけると幸いです。

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シグナスA-1 2020/04/30 23:43

4月の進捗報告

家にいる時間が例年より遥かに伸びてるこの頃。
いくらインドア派といっても気軽に外に出れないのはちょっとだけ不便ですね。
普段よりもやる種類を増やしてゆっくり過ごしています。

というわけで今月の進捗報告なのですが。
今月から絵に集中するために、一旦ゲーム開発をお休みすることにしました。
作りたいゲームがないわけではないんですけどね、体制を立て直すにはまだまだ時間がかかりそうです。

今月描いた作品を2つだけ載せておきます。

左がクラウンピース(東方)、右がララ(シャドバ/神バハ)です。
以前に比べて光の表現が上手くなっているように感じます。
単純にレイヤー数や増えるので作業量や作業時間は増えますが、割と好みの描き方なので早く描けるようになりたいですね。

そういえば今月中旬からプリコネを始めてみました。
さすが数多くのヒット作を生み出しているCygamesなだけあって、かなり楽しめています。
UIがすごく分かりやすく、システムもストレスフリーなのがすごいですね。
もしかしたらプリコネのキャラもいずれ描くかもしれません。

それに関連して1つ悩みを思い出しました。
自分の描く絵ってジャンルがすごいバラバラなんですよね。
つまり、自分がどこに所属しているのか分からなくなってしまっています。
その事実が何かに直結するわけでもないのですが、この先を考える上で非常に難解な要素になっています。

今後の方針については自分でも全く分かりません。
ただ何かしらの創作活動は続けていくつもりなので、気長に待っていただけると幸いです。

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シグナスA-1 2020/04/01 02:55

3月の進捗報告

世間では外出が控えられているこの時期。
いつも通り自宅で作業をしています。
創作活動って(他人との連絡も含め)ほぼ家の中で完結するので環境変化の影響を受けづらいんですよね。

こころの幻想郷旅の大型アップデート

今月は全てこの作業に尽力しました。
アプデ内容についてはこちらの記事に書いてあるので参照してください。
(ざっくりまとまるとEXボスの3体追加、スピードランモードの追加、各種グラフィック改善)

ここではアプデまでの経緯を書きます。
簡潔に述べるとこころの幻想郷旅がゲーム配信されているところを見て楽しそうなゲームだと思ったからです。
前にもこんなことがあった気がしますが、他人がプレイしているところっていうのは自信を取り戻す大きな要因ですね。

2月の進捗報告では3つの選択肢がありましたが、結果的に1番目の選択肢を取りました。
「アップデート需要の不明という不安」と「自分がまだこのゲームで遊びたいという欲」を天秤にかけて後者の方が上回ったのです。

開発期間はver1.10が3/3~3/22、ver1.11が3/26~3/27です。
約3週間という期間、後先考えずに燃え尽き覚悟で作業し続けました。
通常では考えられない開発速度(EXボスを3体追加+α)を得られた反面、心身ともに負担が大きかったです。
つまり、このアプデで燃え尽きました。

運がいいことに途中で燃え尽きずにやりたいところまで全部実装できました。
そのため、「お面紛失!? こころの幻想郷」のコンテンツの追加アップデートは今後はしない予定です。(よほど気が向かない限り)
深刻なバグが発見された場合、修正パッチは出します。

今後の予定

さて、残った選択肢としては新作ゲームと同人誌があるわけですが。
現段階ではさらにそれらを派生させて選択肢を検討しています。
もしかしたら活動休止状態になるかもしれません。
その時はまた改めて報告しようと思います。

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シグナスA-1 2020/03/22 21:47

「お面紛失!? こころの幻想郷旅」ver1.10化パッチ公開

「お面紛失!? こころの幻想郷旅」ver1.10化パッチを公開しました。
ダウンロードはこちらからどうぞ。

アップデート内容は大まかにこんな感じです。(readmeより抜粋)

  • EXボスを追加
  • 実績を5つ追加
  • マップの拡張
  • ゲームクリア後の要素を追加
  • スピードランモードを追加
  • 状態変化一覧を追加
  • 全体的な難易度の調整
  • 一部の効果説明を明確化
  • 一部グラフィック追加・改善
  • その他バグ修正

少しネタバレになりますが、スクリーンショットもどうぞ。


EXボスは高難易度というより面白さという観点を重視して作りました。
そのため本編よりも噛み応えは少ないかもしれませんが、どのEXボスも変わった攻撃で楽しめると思います。

アプデの経緯については月末に書こうと思います。
この数週間はかなり無理して突貫工事をしたのでもうヘトヘトです。
しばらくの間はゆっくり休もうと思います。

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シグナスA-1 2020/03/02 00:12

2月の進捗報告

少し遅刻ですが2月の月例報告します。
といっても進捗はほとんどないのでゲーム開発とはあまり関係のない話になります。

3つの選択肢

先月末に「3つの選択肢で迷っている」と書きました。
結論からいうと決まりませんでした。
というよりどれも選ぶ自信がなくなりました。
いわゆるスランプ状態ですね。
とりあえず反省と戒めの意味を込めて何をしようとしていたのかを書き連ねます。

選択肢1.こころの幻想郷旅の大型アップデート

具体的にはEXボスの追加です。
あのゲームはせっかく拡張性を高く作っているので、もうちょっと遊びたいという想いもあり3体ぐらい追加する予定です。

それ以外では、これまでの記事で報告した通りバランス調整、立ち絵の追加、セリフ時の立ち絵表示などです。
これらは小型アプデの分類で既に完了しているので、今後の開発状況に関わらず行います。

これの躊躇理由は「アップデートの需要が不明」です。
EXボスの追加というのは基本的に高難易度になるため、遊べる人が限られます。
さらにボス戦の追加だけというのは追加要素としてはアンバランスです。
今までは自分がプレイしたいという欲がありましたが、それも喪失しかけている今、その必要性があまり感じられません。
もともとRabi-Ribiに憑りつかれて作り始めたゲームなのでその効力が薄れてしまっては開発が困難になります。

選択肢2.新作の制作開始

東方二次創作で面白そうなゲームが2種類ぐらい頭の中にあります。
まだシステムなどは全く決めていませんが、大まかなゲームルーチンは既に考えています。

これの躊躇理由は「人手不足への不安」です。
こころの幻想郷旅ではたった一人で恐ろしいほどの作業量をやったことを覚えています。
その時の記憶(疲弊や孤独など)が鮮明に残っていて手を付けられないのです。
「この先は地獄だぜ?」「引き返すなら今のうちだぜ?」とかそんな感じです。

特にグラフィック関連がとてもとても苦手で重荷なのです。
こころの幻想郷旅のアップデートに関しても、立ち絵が今もなお禍根を残しています。
この状態で新しく何かを始めるというのは危険すぎると判断しています。

選択肢3.同人誌

何を思ったのか、ゲーム開発とは全く別のことも選択肢にあります。
どうも一人じゃどう考えてもゲーム開発し続けられないと判断したときの最後の逃げ道ですね。
これもこれで茨の道ですが、多くの参考例があるだけ気持ち楽な気がします。

これの躊躇理由は「絵に対する悩み」です。
描く理由もなく、描きたいものもなく、描く技術もなく。
あくまで負の選択肢の側面が強いので悩みが多いです。
具体的に理由を書くとキリがないのでこの辺でやめておきます。

インプット集中期間

前述のとおりアウトプットができない状態なので、いっそのことインプットに振りきってしまおうという考えです。
自分は開発期間中に限らずほとんどインプットをしていません。
理由はまぁ、見える範囲が広がるのを恐れているとかそんな感じです。

ただ、この際どうしようもないので久しぶりに心の壁を壊しました。
具体的には「VOCALOID」「アニメ」「同人誌」「同人ゲーム」です。

ん?同人ゲーム?とお思いかもしれません。
実は他人の同人ゲームをやる覚悟がなく手を付けていなかったのです。
同様に同人誌も買って放置したものが山積みになっていました。
今は、所持している同人誌は全て読み終わり、同人ゲームもちょっとずつプレイしていってます。

VOCALOIDは作業用BGMとして少し気になったのをきっかけにいろいろ聴きました。
アニメは友人からオススメされたアニメをきっかけに何作品か見終えました。

自分の意見を書くのが好きなのでこれらのインプットの時にはメモ書きをしています。
で、一つ疑問なのですが。
もしかして需要があったりするのかなー?と気になっています。
特に同人ゲームは感想書く人が少ない傾向にあるので公開することも検討しています。

最後に

もうしばらくはこのような状態が続くと思うので見守っていただけると幸いです。

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